2分でわかるアメリカ

2010/10/05毎月1日深夜0時の現象


アメリカで最も深刻なのは、雇用問題です。失業したり、大幅な賃金カットで、多くのアメリカ人は収入が大幅に減るか、ゼロになりました。最新の労働省の調査によりますと、アメリカ人の14.3%人数にして4400万人が貧困に分類されています。

こうした現状を描いた記事を週末のウォール・ストリート・ジャーナルが報じました。ディスカウント小売最大手のウォル・マートは24時間営業の店が多いのですが、毎月1日の午前0時に貧困層の夫婦で大混雑するという話です。

アメリカ農務省は、貧困層に対し「フード・スタンプ」というプログラムを実施しています。生活保護の一種で「必要な栄養をとってください」という目的で1939年に開始されました。昔は切手のような「スタンプ」が支給されたことから、そう呼ばれています。現在は、EBTというクレジットカードと似たプラスティックのカードに毎月1日午前0時に、1人あたり平均133ドル12セント入金されます。

ウォル・マートは、毎月1日の午前0時前後に、EBTを握りしめた若い夫婦らが、1ヶ月分の粉ミルクやベビーフードなどを買い込みます。このため、午前2時頃まで駐車場はいっぱい、レジには長い行列ができます。ギリギリの生活をしていることがわかります。

マイケル・ムーア監督の映画「キャピタリズム」に、フード・スタンプを利用している大手航空会社のパイロットが登場し、見た人に衝撃を与えました。フード・スタンプの利用者は2007年の2600万人から4120万人に急増しています。フード・スタンプの利用者が増えたため、セブンイレブンや一部のスーパー・マーケットでもEBTが使用できるようになりました。

アメリカの貧困層の人口は、カナダの総人口より多く、スペインの人口を少し下回る規模です。世界で最もリッチなアメリカが、貧困大国から「貧困超大国」になろうとしています。  

[October 04, 2010] No 010261

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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