2分でわかるアメリカ

2016/07/27ヤフーとグーグルとソニー

いまから16、7年ほど前。ソニーとアップルがトップ会談で、買収もしくは戦略的な提携の可能性を話し合いました。関係筋の話。当時のアップルのCEOは故スティーブ・ジョブズ氏。インターネット時代を先取りしたソニーは、ジョブズ氏の憧れでした。ソニーには、アップルを買うのに十分な時価総額がありました。結果はご存知の通り。

アップルの本社に近いカリフォルニア州のパロアルトにあるスタンフォード大学の学生寮。その部屋で22年前にスタートしたヤフーは、ポータルサイトとして人気を集めました。ユーザー数は2000年までに1億人を突破、従業員数は2000人を超えました。時価総額は1250億ドル(現在のレートで約13兆1250億円)に達しました。

ソニーがアップルを買収する話をしているほぼ同じ頃、テリー・セメルCEOが、スタンフォード大学の大学院生2人が起業した会社に対し、買収を提案しました。ラリー・ページとセルゲイ・ブリンにグーグルを10億ドル(約1050億円)で売って欲しいと。2人は「安すぎる」と言って提案を断りました。

それ以降のヤフーとグルーグルの成長は誰もが知るところ。ヤフーの時価総額は4分の1以下に縮小。グーグルの現在の時価総額は日本円に換算して50兆円近くに達します。

グーグルからスカウトされて4年前にマリッサ・メイヤー氏がヤフーのCEOに就任しました。期待された携帯端末や動画の広告収入は伸びませんでした。メイヤー氏が主導した買収も失敗。ソーシャル・メディア対応でも遅れ、ヤフーは中途半端な存在になりました。

ヤフーは、ネット広告など中核事業を通信大手ベライゾンに売却することで25日までに合意しました。インターネット事業から撤退、中国のアリババやヤフージャパンへの投資を管理する会社になることを決めました。ベライゾンの傘下には、ヤフー同様にインターネット事業の先駆者だったAOLがあります。

ソニーとアップル、ヤフーとグーグルのそれぞれの変化は今の時代を反映しています。いろいろ考えさせられます。

 [July 26, 2016]  No 031843457

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.05.26 更新「溶岩の川」、噴火で50%キャンセルメモリアルデーが絡む今週末の連休に、知人がハワイで結婚式をあげます。日本人だけではなく、ハワイで人生の新たな門出を誓うアメリカ人が意外に多い。知人が結婚式の会場…
  • 2018.05.25 更新輸入車25%関税の衝撃トランプ政権は23日、自動車の輸入が安全保障におよぼす影響について調査を開始すると発表しました。予想されていたことですが、それでも世界に衝撃を与えました。アメリ…
  • 2018.05.24 更新微妙な関係、米朝首脳会談と米中貿易協議トランプ大統領は22日、訪米した韓国の文在寅大統領とホワイトハウスで昼食をはさみ2時間にわたり会談しました。北朝鮮の体制維持などで意見を交換したもようです。会談…
  • 2018.05.23 更新「相当な確率でビットコインはゼロに」去年後半から年初にかけて世界を騒がせたビットコイン。一時は2万米ドルまで上昇するとの強気な見方がありましたが、最近では聞きません。低調な取引が続き、8000米ド…
  • 2018.05.22 更新「夜の灯」で景気判断、独裁国はGDP水増し?ワシントンポストに興味深い記事が掲載されました。中国、ロシア、その他の独裁国家がGDPを15〜30%「水増し」していることを衛星写真が強く示唆しているというもの…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ