2分でわかるアメリカ

2016/07/21新興国通貨なトランプ、クリントンは円

アメリカは、オハイオ州クリーブランドで開かれている共和党の党大会の話題で持ちきりです。19日には、大統領候補にドナルド・トランプ氏を正式に指名しました。来週は、ペンシルベニア州フィラデルフィアで民主党の党大会が開かれます。ヒラリー・クリントン前国務長官を大統領候補に指名する方向です。

共和党は、商業銀行業務と投資銀行業務を分離する1933年のグラス・スティーガル法の復活を政策綱領に盛込みました。金融危機後に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)を転換するもので、ウォール街が騒がしくなっています。マーケットが混乱するリスクがあり、「質への逃避」で民主党のクリントン氏への支持が投資家の間で増えているとThe Washington Postが解説しました。

今年のアメリカの大統領選は、不人気な2人の候補の争いになりました。過去に例がありません。どちらも嫌いだけど、安全とみられるクリントン氏に投票するという心理に一般のアメリカ人も傾いています。クリントン氏はオバマ大統領の政策を継承するので安全。通貨に例えるなら円やスイスフラン

一方の、共和党のドナルド・トランプ氏は、過去の政治を大きく転換することが期待されていますが、政策のボラティリティが高そう。通貨で言えば、高リスクの新興国通貨

The New York Timesが19日までにまとめた調査分析では、クリントン氏が大統領に選ばれる確率が76%あることがわかりました。トランプ氏の確率24%を大幅に上回っています。クリントン候補が敗北する確率は、NBAのプレイヤーがフリースローを外す確率とほぼ同じで、極めて低いとしています。あくまでも現時点。確率が今後、大きく変わる可能性があります。

クリントン勝利の確率が高いことは、リスク回避ムードが高まっていることを示していると思います。円買いが進む局面と似ています。新興国のリーダーが、自国通貨を安定させるために安定をアピールするのと同様に、トランプ氏が巻き返せるかどうかは、買いたいと思わせる政策をアピールができるかにかかっています。目先は、共和党の党大会最終日のトランプ氏の指名受諾演説が重要です。

 
 [July 20, 2016]  No 031843454

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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