2分でわかるアメリカ

2016/07/20ファーストレディー候補のデビュー

4年に1度の大統領選の年に開催される共和党と民主党の党大会は「政治ショー」と呼ばれます。巨大な会場に何万人もの党員が参加。有力な政治家や著名人、セレブなどが相次いで演説。いかにも「お金がかかっている」ステージの演出効果がすごい。開催地の商店街が盛り上げ、お祭りのようです。

オハイオ州クリーブランドで開かれている今年の共和党の党大会もまさに「政治ショー」。大会初日の冒頭、大会規則の承認手続きで一時騒然となりましたが、そんなことを気にする人はいません。大統領候補となるドナルド・トランプ氏の夫人、メラニアさんの演説で初日の話題は持ちきりでした。

70歳の夫より24歳若いメラニアさんはスロベニア出身。ミラノやパリでファッション・モデルとして活躍しただけあって非常に目立ちます。アメリカの大統領候補を決めるのに、なぜかイギリスのクイーンの名曲「伝説のチャンピオン」、そしてイギリスのジェームズ・ボンドのように登場したトランプ氏が「驚嘆すべき女性」とメラニア夫人を紹介。会場が湧きました。

白いドレスで表舞台にあがったメラニアさんは、元共産圏のスロベニアでの生い立ちや、ファッション業界での経験、2006年7月に米国市民権を取得したことなどを語った上で、夫は信頼に値する人物だと力説しました。裏切らないと。

演説は高い評価を受けましたが、ミシェル・オバマ夫人が2008年の民主党大会で行った演説を盗用した疑いが浮上しました。価値観や夢を語る表現が極めて類似していると指摘されました。メラニアさんは原稿のほとんどは自分で書いたと主張していますが、プロのライターが編集したことは明白。つまり、ライターが盗用したということでしょうか。

盗用疑惑は主要メディアが幅広く取り上げました。民主党のクリントン陣営が大袈裟にしたとする陰謀説も浮上しました。疑惑はネガティブですが、メラニアさんの演説はそれを打ち消すインパクトがありました。トランプ氏の娘で、不動産事業を仕切るイバンカさんはペンシルベニア大学の名門ウォートン・スクール出身。イバンカさんは、メラニアさんとともに、トランプ氏に大きな影響を与えているとされています。ファーストレディー候補の演説は、安心感を与えたと思います。

共和党大会2日目の19日は、大統領候補指名のプロセスを開始します。


[July 19, 2016]  No 031843453

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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