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2016/07/02「フィンテックの衝撃5」Brexitで暗雲

ロンドンには、ニューヨークのウォール街と並ぶ世界的な金融街シティがあります。外国為替取引量は世界最大、大手金融機関のヨーロッパ、中東、アフリカを統括する拠点があります。

イギリス政府の支援も手伝ってフィンテック企業の重要拠点にもなっています。「世界のフィンテックの都」というのがロンドンの新しい顔です。

Financial Timesによりますと、イギリスのフィンテック企業全体の2015年の売上高は66億ポンド(約8976億円)。投資家から2015年に新たに調達した資金の合計は5億2400万ポンド(約712億円)に達しました。

ロンドンのフィンテック企業で働く人は6万1000人。ロンドンの金融サービス業全体の約5%。ニューヨークより多く、また、フィンテックに積極的なシンガポール、香港、そしてオーストラリアの合計を上回ります。ロンドンはサンフランシスコと並びフィンテックの都であることが、こうした数字からもわかります。

6月23日に実施されたイギリスの国民投票がEU離脱を選択。予想外の結果に世界が驚きました。ロンドンのフィンテック企業は、衝撃をもって国民投票の結果を受け止めました。

ロンドンのシティが世界的な金融センターの地位を築いた背景には、インフラが整備され、人材が豊富なことがあげられます。そして、イギリスの金融当局の免許もしくは登録でEU加盟国すべてに自由にアクセスできることが大きな魅力でした。「金融のパスポート」と呼ばれるものですが、イギリスがEU離脱を決めたことで、先行きが不透明になりました。

フィンテック企業の多くは既存の金融機関向けのソフトウェアを開発しています。顧客である金融機関の多くが、国民投票の結果を受け、ダブリン、アムステルダム、フランクフルトなど他のEU加盟国の都市への移転を検討しています。エンジニアの多くが他のEU加盟国出身で、人材流出の可能性が高いこともロンドンに拠点があるフィンテック企業の頭痛の種になっています。

ブロックチェーン関連のフィンテック企業、Epiphyteはサンフランシスコからロンドンに移転しました。いま、別のEU加盟国への再移転を検討していると創業者がFinancial Timesに語りました。Brexitが「世界のフィンテックの都」としての地位を危うくしています。

  
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 [July 01 30, 2016]  No 031843442

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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