2分でわかるアメリカ

2016/07/01鋭いソロス氏、ドイツ銀株で儲ける

ハンガリー出身でアメリカを拠点にする大物投資家のジョージ・ソロス氏。イギリスで先週23日木曜日に実施された国民投票で離脱が決まった場合、翌24日は「暗黒の金曜日(Black Friday)」になると警告していました。

ソロス氏は、イギリスの国民投票前に、保有株の3分の1を売却、その一方で、危機時に値上がりが見込める金や金鉱山株を買ったとされていました。ソロス氏の狙い通りの展開になり、また資産を増やしたとみられていました。

しかし、実際には、金よりも、ドイツ銀行の株の値下がりを見込んだ取引で巨額の利益を出したようです。ドイツのメディアによりますと、ソロス氏の家族資金を運用するソロス・ファンド・マネージメントは、イギリスの投票前に、ドイツ銀行の発行株式の0.51%のショート(売り)ポジションを持っていました。それが28日には0.46%に減っていました。利益を確定したことが影響したと指摘されています。

ドイツ銀行は、Brexitが決まるずっと前から、経営が悪化していました。マーケットは、クライアンCEOが去年10月に発表した経営再建計画の実効性を疑問視していました。今年第1四半期(1−3月)の売上高が22%減少、疑問が懸念に変わりました。

ドイツ銀行の株価は30日、過去30年で最低水準まで下落しました。FRBが、財務状況が非常に危険な状況にあると指摘したこと、そして、IMFが「世界で最も危険な金融機関」と述べたことが影響しました。

1992年のポンド危機で巨額の利益をあげたソロス氏は8月で86歳になります。その見立ての鋭さは健在で、未だに世界に影響力を持っていることを示しました。

[June 30, 2016]  No 031843441

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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