2分でわかるアメリカ

2016/06/25ジョージ・ソロスの予言

ジョージ・ソロスが再び大儲けしたらしい。こんな噂が24日のシティ(ロンドンの金融街)とウォール街に広がりました。

ハンガリー出身でアメリカを拠点にする著名投資家ソロス氏は、「イングランド銀行を破たんさせた男」として知られています。1992年9月16日。ポンドが割高に取引されていると見たソロス氏は、ポンド取引で10億ドル(現在のレートで約1020億円)の利益を出しました。ポンド防衛に動いたイングランド銀行は34億ポンド(現在のレートで約4760億円)の代償を支払いました。

ソロス氏は最近になって投資活動に復帰しました。数年ぶりのことです。300億ドル(約3兆600億円)の自己資金を運用するファンドのトレーディング・ルームで売買を指示している姿が目立つとThe Wall Street Journalが今月9日に伝えています。保有株式を3分の1あまり減らすと同時に、金鉱会社の株式や金を積極的に買いました。

23日の投票でイギリス国民がEU離脱を選択したことを受け、世界のマーケットが急変動しました。株式相場が急落、ただ、金鉱株は値を上げました。リスク回避で代替通貨としての金が急騰。ソロス氏の狙い通りの展開。資産をさらに増やしたとみられます。

ソロス氏は先週、イギリスのThe Guardianに「Brexit(イギリスのEU離脱)で誰もが貧乏になる。警戒すべきだ」と題するコラムを寄稿しました。

コラムの中でソロス氏は、Brexitが決まった場合、ポンドは少なくとも15%下落、20%超下がる可能性もあると述べました。ポンドの対米ドル相場は1.15まで売られ、ユーロとパリティ(1対1)になると予想しました。ソロス氏はまた、1992年と異なり、イングランド銀行は利下げしないと見ています。その上でソロス氏は、Brexitにより、一部の人が非常にリッチになり、ほとんどのイギリスの有権者が非常に貧しくなるだろうと予言しました。

歴史的な国民投票で、非常にリッチになった一人がソロス氏自身だったことは言うまでもありません。「イングランド銀行を破たんさせた男」というニックネームを、「イギリスで大儲けした男」に修正したほうがいいかもしれません。

 
 [June 24, 2016]  No 031843437

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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