2分でわかるアメリカ

2016/06/24米でも英でも移民が争点

アメリカの連邦裁判所が23日、400万人以上の不法移民の強制送還を延期、合法的に就業する許可を与える大統領令をめぐりテキサスなど26州が起こした違憲訴訟に関し、下級審に差し戻す決定を下しました。8人いる判事の見解が、賛成の保守派4対反対のリベラル派4に分かれたためです。今年2月にスカリア判事が死亡後、最高裁判事は1人欠員の状態が続いています。

下級審は大統領令が違憲だとする判決を出していますが、それが維持されます。オバマ大統領の任期中は計画が凍結されることになり、任期最後に司法の壁にぶち当たった格好です。

最高裁の決定は、大統領選に影響しそうです。オバマ大統領の政策を継承する民主党のクリントン候補にとっては痛手。「イスラム教徒の移民禁止」など厳格な移民政策を主張する共和党候補のトランプ氏にとっては追い風となる可能性があります。

アメリカと大西洋を挟んだイギリスで23日、EU離脱の是非を問う国民投票が実施されました。最大の争点は移民問題。移民に職を奪われた労働者、治安の悪化やアイデンティティの喪失を懸念する高齢者らが離脱支持に回りました。残留派は、離脱しても移民の流入は減らないと反論しました。

歴史的な国民投票の日に、イギリスの移民数が大幅に増えていることを示す政府統計が公表されました。微妙なタイミングですが、発表日は去年から決まっていて、偶然の一致です。

それによりますと、去年イギリスで移民と認定された人数は33万5600人で過去最高でした。人口が6510万人に増えましたが、新生児数から死者数を差し引いた自然増は17万1800人にとどまっています。移民がイギリスの人口を押し上げています。統計が投票にどう影響するかは不明。ただ、結果にかかわらず、移民問題が今後もイギリス政治のテーマの一つであり続けると予想します。先進国の中で、日本の移民受け入れが突出して少ないためピンとこないかもしれませんが、欧米では非常に身近な問題です。

[June 23, 2016]  No 031843436

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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