2分でわかるアメリカ

2016/06/22FRB議長、「慎重発言」繰り返す

1978年、アメリカで「完全雇用・均衡成長法」が施行されました。 法律は、経済動向に関する見解と分析、マネーサプライの目標値、その目標値と経済見通しとの関係について、年2回の報告をFRBに義務付けるものです。法案づくりで中心となった2人の名前をとってハンフリー・ホーキンス法と呼ばれました。

ハンフリー・ホーキンス法は、公的機関の報告義務の軽減を定めた2000年の「サンセット法」により、報告書の提出義務やマネーサプライ目標値の公表義務は効力を失いました。しかし、議会への報告義務は、2000年以降も継続しています。FRB議長が、年2回、上下両院でそれぞれ証言することが恒例化しました。

FRB議長の議会証言は通常、2月と7月ですが、今年2回目の証言は6月に設定されました。タイミングが、不透明なEU離脱の是非を問うイギリスの国民投票の直前で、しかも、1週間前のFOMCの記者会見で1時間近くにわたる質疑応答をしたばかりであるため、従来と比べ注目度が低かったです。

ただ、イエレン議長はリラックスして証言席に座れなかったと想像します。舞台となる上下両院のメンバーの多くが、11月8日の「選挙の日」に改選選挙を控えていて、「張り切る」と予想されたからです。

21日の上院銀行委員会では、「赤い勝負ネクタイ」をした議員が、金利見通し、経済動向、雇用市場、サイバーセキュリティなどに関する議長の認識を次から次へと質問しました。イギリスの国民投票に関する質問も多く、過去の発言の真意をただされた局面では、議長が言葉に一瞬詰まる場面もありました。

「白い勝負服」でのぞんだイエレン議長の21日の証言は、一貫して「慎重姿勢」を示すものでした。別の言葉では、早期利上げ観測をさらに後退させる「ハト派的」なものでした。明日22日、今度は下院に舞台が移りますが、基本的に「サプライズ」はないと見られます。

 [June 21, 2016]  No 031843434

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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