2分でわかるアメリカ

2016/06/18「お金持ちの掟124」ビリオネアはどう動く

EU 離脱の是非を問う国民投票を控え、イギリス国内が2分しています。残留支持を呼びかけていた女性議員が殺害されたことを受け、同情から残留派に恩恵があると指摘されています。

ただ、数字には現れていません。Financial Timesが17日に更新した世論調査では、離脱支持が48%に対し、残留支持は43%にとどまりました。投票に向けたキャンペーンが20日まで自粛されることになり、その影響が微妙に出る可能性があります。いずれせよ、予断を許さないきっ抗した状態であることは変わらないと予想します。

EU離脱を支持しているのは、労働者階級、低所得層、高齢者が多いという統計があります。移民が雇用を奪っている、EUがイギリス人のプライドを傷つけているなどの懸念が影響していると分析されています。

ただ、オズボーン財務相は、SkyTVのインタビューで、「Brexit(イギリスのEU離脱)はお金持ちのためのものだ」とコメントしました。 お金持ちは、どういう状況でも柔軟に対応できるとしています。EU離脱が決まった場合、景気後退が長期化し、低所得者層に打撃になるとの見方を示しました。

Brexitが決まれば、ロンドンの高級住宅市場に大きく影響するとの指摘が多くあります。ロイヤル・インスティチューション・オブ・チャータード・サヴェアーズのエコノミストは、ロンドンの高級住宅価格が下落、反対にニューヨークの高級住宅の需要が高まるとMansion Globalにコメントしました。お金持ちの不動産投資が、ロンドンからニューヨークに移るとの指摘。別の見方では、外国人にとってロンドンの高級不動産が「バーゲン価格」で買えるとしています。

すでに影響が出ています。不動産大手のナイト・フランクによりますと、お金持ちが多く住むロンドンのナイトブリッジの住宅価格は年初から7.5%下落しました。高級住宅街のハイド・パークは4.8%下落、チェルシーは3.5%下げました。ポンド相場が大幅に下落したことと合わせ、外国のお金持ちには魅力が増しているとも言えます。ただ、投票結果がどうであれ、不透明感は残る可能性があり、ロンドンの高級不動産の価格が一段安になる可能性もありそうです。

話は変わりますが、不動産投資でビリオネアになったアメリカの共和党の大統領候補、ドナルド・トランプ氏は、国民投票翌日の24日にロンドンを訪問する予定です。
 

 [June 17, 2016]  No 031843432

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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