2分でわかるアメリカ

2016/06/17「せこい」と「すごい」

安倍首相や日銀の黒田総裁など一部の要人を除き、日本人の個人名が欧米のメディアに溢れることは稀です。個人で行動し、個々の主張が尊重される欧米と、企業や組織単位での行動、主張が幅広い分野で重視される日本との違いだと思います。日本経済を欧米では「日本株式会社」などと呼ぶこともあります。

16日のアメリカのメディアに、2人の日本人の個人名がそれぞれ見出しになりました。非常に珍しい。

東京都の舛添要一都知事の辞職が決まったことは、ニューヨーク・タイムズやシカゴ・トリビューン、イギリスのガーディアンなど欧米の主要紙が、「都知事」ではなく「Yoichi Masuzoe」として伝えました。高額の海外出張や公用車の私的利用など政治資金の流用が相次いで発覚したと、日本のメディアと同じトーンで伝えています。

ニューヨーク・タイムズは、記事の中で「せこい」という日本語をそのままローマ字の「sekoi」と表現しています。独特のニュアンスを伝える狙いがあったのか。ニューヨーク・タイムズは影響力があり、「sekoi」が英語になるかもしれません。舛添氏の貢献?

もう一人の日本人、「Ichiro Suzuki」の個人名もアメリカの主要メディアで16日、大きく取り上げられました。日米通算4257安打を達成、ピート・ローズの持つ最多安打記録を塗り替えた偉業が話題になりました。ローズ氏が日米の成績を同列に扱うことに否定的だとも伝えていますが、概ね好意的です。ロサンゼルス・タイムズは、ピート・ローズがなんと言おうと、イチローは凄いとするコラムを掲載しました。また、マイアミ・ヘラルドは、ピート・ローズが賛成しようがしまいが、イチローの記録は祝杯に値するとの見出しで伝えました。

イチローは試合後の会見で、「日本では号外も出ました」との記者からの質問に対し、「別の号外の話も聞きました」と答えました。イチローの「舛添イジリ」、とネットで話題になっているそうです。

[June 16, 2016]  No 031843430

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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