2分でわかるアメリカ

2016/06/16乱射事件後、トランプ氏が劣勢

49人が犠牲になった先週末のフロリダ・オーランドでの銃乱射事件。主要メディアは「事件報道一色」です。アメリカで過去最悪の事件、しかも大統領選の年に起こったこともあり、関心の高さが伺えます。

発生当初は、事件が大統領選で共和党候補の指名を確実にしているドナルド・トランプ氏に有利に働くとみられていました。「トランプ氏が躍進する最大のチャンス」とする指摘も。去年12月初めのカリフォルニア州サンバーナーディーノで起きた銃乱射事件を受け、「イスラム教徒の入国を禁じるべきだ」と主張していたからです。イスラム教徒が容疑者のフロリダの事件後、トランプ氏は、イスラム教徒移民の禁止を訴え、これまでの主張がぶれていないことを強調しました。

これが裏目に出ました。バラク・オバマ大統領とヒラリー・クリントン前国務長官が、アメリカを不安定にするとトランプ氏を激しく批判しました。現役の大統領と大統領候補が同時に主張するのは異例のことです。さらに、トランプ氏が属する共和党の下院議長、ポール・ライアン氏も、民主党の2人に同調する形で、イスラム教徒移民禁止の主張は受け入れられない、と発言しました。

世論調査では、トランプ氏が劣勢になっています。乱射事件前はトランプ氏とクリント氏がほぼ互角、トランプ氏に勢いがありました。しかし、Bloombergが10日から13日にかけて「11月の本選で投票する」と答えた750人を対象にした調査では、クリントン氏支持が49%、トランプ氏が37%、そして、リバタリアン党のゲーリー・ジョンソン氏が9%でした。クリント氏がトランプ氏に2桁の差をつけリード、第3の政党のジョンソン氏が予想外に多くの支持を集めました。

アメリカには「オクトーバー・サプライズ」という言葉があります。11月の大統領選本選の直前の10月に選挙の行方を左右するサプライズがあることが多いということです。まだまだわかりません。選挙まであと約5カ月。当面は、副大統領候補の選定、それぞれの夏の党大会が焦点です。

 [June 15, 2016]  No 031843430

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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