2分でわかるアメリカ

2016/06/15マイナス利回りとVIX

シカゴ・オプション取引所(CBOE)に、VIX(volatility index)という指数があります。代表的な株価指数であるS&P500を対象とするオプション取引の今後30日のボラティリティを元に算出したもの。投資家が相場の先行きに不透明感を持っている際に上昇することから「恐怖指数」と呼ばれることがあります。

1993年に導入されたVIXは、通常は10から20の間で緩やかに推移します。しかし、先週金曜日と今週月曜日の2日間で、VIXは15から20に急上昇しました。EU離脱の是非を問うイギリスの国民投票に対する警戒感が背景です。

CNBCによりますと、VIXが5ポイント上昇すると、S&P500は平均で3〜4%急落します。しかし、実際には、2日間でS&P500は1.7%しか下落しませんでした。

これは、予想ほど株が売られなかったものの、投資家が守りに入った、動かなくなったことを意味しているとCNBCが解説しました。

VIXの急上昇と反対に、日独米の国債利回りが急低下しています。

14日のヨーロッパの債券市場では、ユーロ圏の長期金利のベンチマークになっているドイツ10年債の利回りが一時マイナス0.03%に低下しました。また、スイス国債は超長期債を除き、ほとんどの国債利回りがマイナス。英30年債の利回りは2%を初めて割りました。

また、マイナス金利が定着した日本を代表する10年国債の利回りは過去最低のマイナス0.170%に低下。米10年債利回りは、外国人投資家の買いも膨らみ2012年以来で最低の1.6%に低下しました。国債利回り低下は、いずれも投資家の安全志向を反映したものです。

債券王として知られるビル・グロス氏は、現在の状況が異常事態であり、「スーパーノバが爆発する」として大変動が起きる可能性があると警告しました。こうした状況は少なくともイギリスの国民投票の結果が出るまで続くとみられます。国民投票は今やイギリスの問題だけではなく、世界、そしてマーケット全体の問題になっています。
 
[June 14, 2016]  No 031843429

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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