2分でわかるアメリカ

2016/06/14LAゲイパレードも狙われていた

フロリダ州のオーランドの繁華街にあるゲイバーで起きた乱射事件はアメリカ社会に大きな衝撃を与えました。容疑者を含め50人が死亡、53人がケガをしました。アメリカ史上最悪の銃乱射テロ事件。

オマル・マティーン容疑者はアフガニスタンからの移民の両親を持つアメリカ国籍。犯行時にイスラム教過激派組織ISISへの忠誠を口にし、ISISも事実上の犯行声明を出しましたが、関係はわかっていません。容疑者の思想に何かしらの影響を与えたとみられますが、接触した形跡がなく、ISISが事件を宣伝に利用した可能性もあります。

当然ですが、ソーシャル・メディアはオーランドの乱射事件の反響であふれました。大統領選の共和党候補に指名されることが確実なドナルド・トランプ氏が正しいとする意見が非常に目立ちます。事件が、トランプ氏に有利に働いているように見えます。少なくとも現在までは。

ロサンゼルス郊外のサンバーナーディーノで去年12月2日に起きた銃乱射事件の後、「イスラム教徒の入国を禁止すべきだ」と主張したトランプ氏は、今回の事件で、主張の正当性を強調しています。一方、民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官は、テロや戦争に使用する大量破壊銃器の規制を改めて訴えました。狙われたのがゲイだということも、大統領選の争点の一つになりそうです。

フロリダの乱射事件の数時間後の12日早朝、カリフォルニア州のサンタモニカで、インディアナ州の二十歳の白人男性が逮捕されました。ウエスト・ハリウッドで予定されていたLA Pride paradeというゲイのパレードを襲撃する計画でした。ジェームス・ハウエル容疑者が身柄を拘束された際に乗っていた白い乗用車の車内に、複数のライフル銃や爆発物が見つかりました。

世界中のゲイが集まるLA Pride paradeは予定通り開催されました。容疑者がなぜゲイを狙っていたかについては、明日14日の裁判所での尋問で明らかになるとみられます。

相次ぐ銃乱射事件と銃規制の問題、同性愛者の権利、宗教の問題は、いずれも「人種のるつぼ」であるアメリカが抱える深刻な社会問題です。既得権者らの抵抗、様々な主張があり、いずれも非常に難しい問題。大統領選の年に起こった事件をきっかけに、議論が深まることを期待したいです。


 [June 13, 2016]  No 031843428

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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