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2016/06/11「お金持ちの掟123」ソロス復帰は危機予兆?

9日付のThe Wall Street Journalの1面に、ジョージ・ソロス氏がトレーディングを再開したとする記事が掲載されました。ウォール街で大きな話題を集めました。

富豪ソロス氏が世界に名を広げたのは1992年。ポンドが急落すると予想した取引で、10億ドル(現在のレートで約1070億円)の利益を手にしました。当時、ブリュッセルに駐在していたため、ヨーロッパ全土が動揺したことを覚えています。その時初めて、ジョージ・ソロスという投資家を知りました。

85歳になったソロス氏はここ数年、慈善事業などに専念し、投資活動から遠ざかっていました。しかし、最近になって、トレーディング・ルームで売買を支持する時間が増えているとThe Wall Street Journalが伝えました。保有株式を3分の1あまり減らす一方、金と金鉱会社の株式を買いました。ソロス氏が運用する資金は自己資金と家族の資金。300億ドル(約3兆2100億円)と巨額です。

ソロス氏は、世界が大きく変動するとき、もしくは金融危機の際に大きく賭けることで知られています。前回、トレーディングの一線に復帰したのは2007年。住宅バブルの崩壊、リーマンショックで巨額の利益を上げました。今回の投資も、世界経済の先行きを悲観し2007-8年と類似した危機的な状況になると予想、儲けるチャンスと考えていると見られます。

具体的には、中国経済の先行きを疑問視し、中国から流出した巨額資金で世界経済が混乱すると見ています。今年の1月ごろから、ソロス氏が中国経済に深刻な問題があると指摘しています。

ソロス氏は、ヨーロッパ経済についても悲観的です。イギリスがEUを離脱する可能性が高まり、ギリシャ経済が再び深刻化、移民問題などが影響してEU崩壊がありうると見ています。

ソロス氏の予想通り世界経済が危機に直面した場合、外国為替マーケットに大きく影響するのは確実です。ユーロとポンドが急落、逃避買いで円急上昇、というリスク回避シナリオになる可能性があるのでしょうか。
 

 [June 10, 2016]  No 031843427

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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