2分でわかるアメリカ

2016/06/10元CIAも登場、Uberの法廷闘争

iPhoneのアプリを3回タッチするだけで、5分以内に希望のタイプのクルマが迎えに来る。目的地に到着したらそれでおしまい。iPhoneに表示された料金はタクシーの半額程度。面倒なチップもいらない。

カリフォルニア州のベンチャー企業Uberが提供するサービスは、アメリカでの生活に欠かせない存在になりました。

我が家では、娘が高校から帰る際、頻繁に利用しています。公共交通機関が充実していないロサンゼルスで非常に助かっています。個人的には、レストランで安心してワインを飲めるようになりました。日常生活に革命を起こした、と言っても大げさではないと思います。最近、近くのレストランのランチやディナーを1米ドルの手数料で配達するUber Eatsも利用しています。

便利で早くて安いUberのサービスは、タクシー会社など既存のビジネスに大きな打撃をもたらしました。当然ながら、訴訟が多数起きています。アメリカ西海岸から東海岸まで。そして、海外でも。

ニューヨークでは、料金設定が競争を阻害しているとする訴訟が起きました。訴訟に関する調査のため、Uberが元CIAの幹部を雇ったとCNBCが9日伝えました。元捜査官が、不正に裁判所の書類にアクセスした疑いがあるとしています。調査というより捜査。もしくはスパイ行為。訴訟そのものより、そちらが問題になっています。

一方、フランスのパリの裁判所は9日、Uberとフランス法人の幹部2人に対し、裁判費用と合わせて96万4000ユーロ(約1166万円)を支払うよう命じました。運輸関連法と個人情報関連法に違反した罪だとしています。Uberは「非常に失望した」とする声明を発表しました。

日本では、規制が厳しすぎること、タクシー業界の強い抵抗などが影響してUberが全く普及していません。対照的に、アメリカでは、訴訟が頻発する一方で、新しいサービスに対するルール作りが進み広く普及しました。ニューヨークの「元CIA」の問題は特殊なケース。そして、フランスの裁判は、新ルールができるまでの過程のように見えます。

[June 09, 2016]  No 031843426

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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