2分でわかるアメリカ

2016/06/04「お金持ちの掟122」憧れのあのバッグ

「バーキンを返品した」。弁護士をしているアメリカの友人が、ビバリーヒルズのエルメスでたまたま探していた「バーキン」を見つけました。奥さんが長年憧れていた人気のバッグ。ちょっと微妙な色でしたが、迷わず買いました。自信を持って奥さんにサプライズ・プレゼントしたのですが、色が気に入らないとネガティブな反応。「やっと買えたのに」と渋々返品した次第です。かわいそう!

お金持ちの奥さん、もしくは「親しくしている女友達」がエルメスのバッグを持っている確率が高いです。女性自身がお金持ちの場合も同様。シャネルでもヴィトンでもなく、なぜかエルメス。特にケリーとバーキンと呼ばれるバッグのいずれかを所持している確率が非常に高い。庶民には見分けがつきにくいのですが、その希少性から「お金持ち御用達品」になっています。バーキンは、カジュアルでも、フォーマルでも使える!とネットに書いてありました。よくわかりませんが。

ビクトリア・ベッカムは100個のバーキンを持っているとされ、ジェニファー・ロペスら多くのセレブが愛用しています。「セレブ御用達品」でもあります。

バーキンが史上最高値で落札された、とクリスティーズが今週月曜日30日に発表しました。香港で開催されたオークション。落札されたのは、ヒマラヤ・クロコダイルの白いバーキンでした。ホワイトゴールドのアクセサリーが付き、ダイアモンドがあしらわれた「バーキン30」。

いくらか。30万168米ドル(約3211万円)でした。クリスティーズの推定価格は19万4000〜25万9000米ドルでしたので、大幅に予想を上回ったことになります。もちろんハンドバッグとしては過去最高値です。色によって差がありますが、通常2万ドル(約214万円)程度で買えることを考えると尋常ではない落札価格と言えます。

1984年。エルメスの第5代目の社長が、飛行機でイギリスの歌手ジェーン・バーキンと隣り合わせになりました。バーキンさんが、ボロボロの籠に荷物を入れていたのを見て、何でも詰めこめるバッグをプレゼントさせて欲しいと申し出ました。バーキン誕生のエピソードです。まさか30万米ドルで売買される、などと社長は夢にも思っていなかったと思います。

クリスティーズのオークションで誰が落札したかはわかりません。アジアのコレクターとしか発表されていません。中国人のお金持ちが奥さん、もしくは「親しくしている女友達」に贈るのかもしれません。 アメリカ人の友人はいま、奥さんが好きな色である白いバーキンを探しています。定価で買いたいそうです。

[June 03, 2016]  No 031843422

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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