2分でわかるアメリカ

2016/05/27世界が注目しないG7

「伊勢エビ、アワビ、松坂牛」「イケメン首相」。日本は、G7伊勢志摩サミットの話題で持ちきり。日本のメディアは、共同声明のドラフトからサイドネタ、どうでもいい情報まで、「ニュースはこれしかない」というくらい盛り上がっています。日本人は「世界が伊勢志摩に注目している」と考えているかもしれません。

しかし、欧米メディアのG7サミットの報道は、想像以上に少ないのが現状です。扱いが非常に小さく、サミット自体より中国の反応に焦点を当てた報道が目立ちます。

欧米がほとんど報じないのは、サミットが遠い日本で開催されているからではありません。官僚がお膳立てした儀礼的な会議にニュース性を見出していないからです。

G7サミットは、シェルパと呼ばれる官僚の代表を中心に、事前に日程を含めたロジ(ロジスティック)、議題、共同声明のドラフトが準備されます。本番の首脳会議は、7カ国とEUの政治トップがそれぞれ発言しますが、準備されたドラフトから内容が大きく変わることは過去に例がありません。「政治ショー」と言っていいかもしれません。

アメリカとカナダは隣国で頻繁に会っていますし、ヨーロッパの首脳は頻繁にアメリカを訪問しています。EUの首脳は定期的に会議で議論しています。NATOでも欧米首脳が顔を合わせます。つまり、日本が参加しない欧米の首脳会議もしくは会談が何度もあることも注目度を低くしています。

中国やインドを始めとする新興国が影響力を持ち、G7よりG20が重視されていること、ロシアが参加していないことも注目度が低い原因の一つと言えます。

G7サミットを取材する日本の記者の数は飛び抜けています。今回は、ホスト国が日本であるため社会部なども取材していると想像します。ただ、日本以外の開催でも、日本の記者数は異常に多く、非常に目立ちます。テレビ東京時代に何度かG7サミットを取材しましたが、欧米のメディアの少なさに驚いたことを覚えています。

ただ、サミット閉幕後のオバマ大統領の広島訪問は歴史的意義があり、ニュース性が高いため、欧米メディアがトップ級で扱うと予想します。
 
 [May 26, 2016]  No 031843417

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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