2分でわかるアメリカ

2016/05/25留学生減で苦しむ米大学

ロサンゼルスのダウンタウンに近いUSC(南カリフォルアニア大学)。州立のUCLAと並ぶ私立の名門です。USCで教える知人は、キャンパスは中国人だらけだと指摘しました。とにかく多い。非常に目立つ。同様の光景が、カリフォルニアやニューヨークを中心に確認できます。

The Wall Street Journal(WSJ)が24日、留学生に関する興味深い記事を掲載しました。留学生の数が減少傾向にあり、アメリカの大学を圧迫しているという内容です。

国際教育インスティチュートによりますと、2015年度に、アメリカの大学に入学した留学生は97万4926人。このうち約3分の1は中国人留学生です。ただ、 中国政府が国内の教育インフラを整備したため、減少傾向にあるということです。

留学生が2番目に多いインドからの留学生は、通貨安の影響を受けています。FRBが利上げ方向にあるため、新興国を代表する通貨であるルピーが不安定になっています。去年から対米ドル相場が大幅に下落。ただでさえ高いアメリカの大学の学費が重い負担になっています。

WSJはさらに、アメリカへの留学生が多いサウジアラビアは原油安の打撃を受け、ブラジルの留学生の数は経済危機の影響で減少していると伝えました。

ここ数年、アメリカへの留学生が年2桁の率で増加しました。アメリカの各大学は、留学生が支払う学費の増加で、州政府などからの補助金削減を補っています。

留学生は通常、アメリカ人と比べ2倍から3倍の学費を納めています。大学にとっては「ドル箱」。アメリカ人は留学生の増加で入学が難しくなったと批判していますが、大学としては生き残りをかけて留学生を受け入れています。留学生が減少傾向になったことで、大学職員が削減されつつあります。

アメリカの連邦政府は、中国や日本など外国からの借金に頼っています。一方で、大学は海外留学生が支払う学費に依存し、世界最高水準の教育を維持しています。世界最大経済のアメリカは、外国に支えられている、ということでしょうか。

 [May 24, 2016]  No 031843415

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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