2分でわかるアメリカ

2016/05/18「強いドル政策」を転換?

日本の要人が外為市場に口先介入することが目立って増えました。首相、財務相、財務官、日銀総裁から政府に近いエコノミストまで。「通貨安戦争」が国際的に批判される中、これほど「弱い通貨」政策を露骨にするのは異常ではないかとさえ思えます。

アメリカでは、1990年代から一貫して「強いドル政策」が維持されました。「強いドルがアメリカの国益になる」と最初に発言したのは、1995年当時のルービン財務長官でした。ドル高やドル安ではなく、「a strong dollar(強いドル)」という絶妙な表現を使いました。「強いドル政策」は、クリントン、ブッシュ、オバマ政権に引き継がれました。

しかし、今年11月8日の選挙で、共和党の大統領候補者指名を確実にしたドナルド・トランプ氏が勝利した場合、「強いドル政策」が見直される可能性があるとFinancial Timesが解説しました。

「トランプ大統領」は、中国と貿易で戦争、米国債(債務)の条件見直し交渉をすると予想されています。加えて、アメリカ企業の輸出競争力を高めるため、ドル高政策を転換する可能性があるとしています。去年8月、トランプ氏は「ドル高がアメリカ企業の打撃になっている」と発言。また、「強いドルというと聞こえが良いが、どの水準かが問題だ」とも述べています。

トランプ氏が支持を集めるのは、多くのアメリカ人が従来の政治、政治家に期待が持てなくなったからだと見られます。経済、通商、金融、外交など幅広い分野で、過去の常識を壊す「変化」への期待がトランプ人気の背景です。「強いドル政策」の転換は、「トランプ政権」下では、実行される可能性が高そうです。

[May 17, 2016]  No 031843410

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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