2分でわかるアメリカ

2016/04/13欧米のニュースになった日本人アーティスト

日本のエンターテインメントは、ゲームは例外として世界で通用しない。こんな考えが、日本のエンターテインメント業界の常識になっています。日本映画は、ペースがスローで、監督やプロデューサーの思い入れが強すぎてメローすぎる、もしくは漫画チック。テレビのドラマは10話しかないし、タレントの演技が見ていられない。バラエティは論外。多くの欧米のプロは、日本の映画とテレビの国際競争力が低いと見ています。しかも、作品の権利が複雑すぎて海外に持っていけない。一種のガラパゴス。

音楽はどうか。コードが独特すぎる。演歌は異質。権利関係は欧米とそれほど変わらないのに、海外マーケットは敷居が高い、と日本のメジャー・レーベル関係者が考えています。しかし、そんな日本の常識を破ったユニットが登場しました。やっと。

3人組の日本女性のユニット「BABYMETAL(ベビーメタル)」の2枚目のアルバム「METAL RESISTANCE(メタル・レジスタンス)」が、アメリカのビルボードの最新のアルバム・チャートで初登場39位に入りました。ワールドアルバム部門では1位を記録。日本人アーティストとしては、1963年に坂本九さんの「スキヤキ・アンド・ジャパニーズ・ヒッツ」が14位に入って以来の快挙です。素晴らしい。

BABYMETALは、「アイドルとメタルの融合」をテーマに2010年に結成されました。ワールドツアーでは、日本のアイドル文化とヘビーメタルのスケール感を合体させた独特の雰囲気が人気になりました。ビデオクリップも海外ウケする作りになっています。欧米の音楽専門誌だけではなく、ニューズウィークやフォーブス、ガーディアンなどの主要な雑誌や新聞、さらにはCBSやBBCもBABYMETALの快挙が取り上げられました。

BABYMETALはイギリスのチャートでも日本人史上最高位のチャート・インを果たしました。坂本九さんの「上を向いて歩こう」は今でも欧米で知られていますが、BABYMETALは坂本九さんを超える世界が認める日本人アーティストになる可能性を秘めています。日本のエンターテインメント界の常識を破ったことが、個人的には「最も大きな功績」だと思います。



 [April 12, 2016]  No 031843387

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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