2分でわかるアメリカ

2016/03/30人為的地震の高いリスク

アメリカ地質調査所(USGS)が28日、アメリカで自然および人為的に地震が発生する危険がある場所の地図を発表しました。「シェール革命」と地震の関係がこれまで何度か指摘されてきましたが、権威のあるUSGSが人為的な地震の予測をまとめたのは初めてのことです。

地図は過去の統計を分析し作成されました。自然災害である地震の地図では、特に西海岸のカリフォルニア州の色が他の州と区別されています。一方、人為的な地震の地図では、オクラホマ、カンザス、テキサス、コロラド、ニューメキシコ、そしてアーカンソーの6つの州の一部が赤く塗られています。USGSは、約700万人が人為的に引き起こされる地震リスクの中で生活しているとしています。

人為的地震リスクが高いとされた地域はいずれも、シェールブームに沸いたアメリカの中・東部の州。エネルギー各社が地下深くにある原油と天然ガスを採掘、作業の過程で出た大量の排水を処分しています。高塩分の排水は特別に作られた井戸に圧入。これは「水圧破砕法」と呼ばれていますが、不自然な排水の大量注入により断層上の圧力が変化、地震が発生する恐れがあると専門家が指摘しています。

人為的地震の問題が最も深刻とされるのはオクラホマ州。The Wall Street Journalによりますと、去年1年間だけで、M2.5以上の地震が約2500回も観測されています。10年前は3回しか観測されておらず、USGSは排水処理と地震の関連性があるとの推論をたてています。まだ「推論」であり、シェール原油、シェールガスの生産者はそれを強く否定しています。

オクラホマ州などの州は、原油価格の下落の悪影響を受けています。USGSの調査報告書はエネルギー各社の損害賠償リスクが高いことを示すもので、新たな打撃になるとみられます。

米国時間の明日30日は、都合によりお休みします。翌31日に再開します。

[March 29, 2016]  No 031843380

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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