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2016/03/29トルコ大統領に冷たいホワイトハウス

トルコのエルドアン大統領が今週、アメリカを訪問します。ワシントンDCで開かれる「核安全保障サミット」に出席するためです。

核安全保障サミットは、オバマ大統領が提唱して2010年に始まりました。今年が4回目で、最後になります。先週のブリュッセルでの連続爆破テロ事件の後、過激派組織ISISが原子力発電施設などを狙っているとの情報が一部であり、核物質の管理強化が課題となります。50を越す国や国際機関の代表が出席します。

安倍首相が日米韓の首脳会談を要請していると日本のメディアが伝えています。日本の外務省筋の情報だと推測します。ただ、The Wall Street Journalは週末、サミットの期間中に首脳会談が決まっているのは、中国の習近平国家主席だけだと報じました。

また、The Wall Street Journalによりますと、トルコのエルドアン大統領は、訪米中、メリーランド州にあるモスクを訪問します。トルコ政府が支援したモスクで、開幕式が予定されています。トルコ政府は、オバマ大統領を招き、エルドアン大統領との首脳会談を要請しました。しかし、ホワイトハウスが会談要請を拒否、代わりにバイデン副大統領がエルドアン大統領に会う見通しだということです。

エルドアン大統領が前回ワシントンDCを訪れたのは2013年。首相として夫人を伴って公式訪問しました。トルコの経済の繁栄を導いたエルドアン氏の訪問を、オバマ大統領が歓迎しました。当時、トルコ国内ではトルコ反政府運動が広がっていましたが、エルドアン氏が民主主義国家の象徴であるアメリカとの蜜月を内外に示す結果になりました。

あれから3年。シリア内戦、ISISの台頭、難民問題など、地理的な関係でトルコが、アメリカの中東外交の重要な鍵を握っています。しかし、オバマ大統領が今年2月、エルドアン大統領と電話会談した際に、シリア北西部で活動しアメリカが支援するクルド人防衛隊への砲撃を中止するよう求めましたが、合意には至りませんでした。

トルコは、NATOの加盟国であり、その重要性は変わりません。しかし、クルド問題以外でも、シリア内戦への対応に関して見解の違いがあります。さらに、アメリカ政府は、エルドアン大統領がジャーナリストや学者らを弾圧していることなどを批判しています。これらを背景に、エルドアン大統領と距離をとる方針に動いたとみられます。

トルコ軍機撃墜を受け、トルコはロシアと緊張した関係にあります。アメリカとの関係が悪化すれば、エルドアン大統領が国際的に孤立する可能性がありそうです。

 [March 28, 2016]  No 031843381

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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