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2016/03/26「フィンテックの衝撃3」Brexitの恐怖

フィンテックは、「フィナンシャル・テクノロジー(Financial Technology)」の略語、もしくは造語です。最新のテクノロジーを使って金融サービスを効果的にするものですが、非常に範囲が広い。このため、フィンテックの業界のサイズ、業務から投資額まで、調査報告によってばらつきがあります。伝統的な金融機関が積極的に進出していることもあり、境界線があいまいでもあります。ただ、2008年ごろ意識されるようになり、2014年以降に急拡大したことは間違いありません。

フィンテック関連のベンチャー企業が多く、投資額が極めて大きいのが、シリコンバレーにつながるアメリカのサンフランシスコ。そして、ウォール街があるニューヨークです。ヨーロッパでは、世界最大の外国為替マーケットでもあるロンドンのフィンテックに関わる人の数、投資額が突出しています。イギリス政府が積極的に支援、ロンドンのフィンテックへの2015年の投資額は7億ドル(約791億円)に達したとされています。

「フィンテックのヨーロッパの都」であるロンドンで異変が起きつつあります。ロンドンを離れて、ヨーロッパ大陸でフィンテックが盛んなドイツのベルリンやフランスのパリ、同じ英語圏のアイルランドのダブリン、もしくは税制上の優遇措置が期待できるルクセンブルグなどへの移転を検討しているフィンテック企業が相次いでいます。

約4ヶ月後の6月23日。イギリスでEU離脱の是非を問う国民投票が実施されます。複数の世論調査で、離脱派が残留派を上回っています。ロイターがインタビューしたフィンテック企業10社のうち7社は、Brexit(イギリスのEU離脱を意味する造語)の場合、ロンドンから他のEUの都市に引っ越すと答えました。また、ロンドンのフィンテック協会の調査では、Brexitが危機的な状況を招くと答えたフィンテック企業が82%に達しました。

フィンテックを積極的に支援してきたロンドンのボリス・ジョンソン市長は「離脱派」のリーダー的な存在です。サファイア・ベンチャーと日本の楽天が支援している海外送金サービスのCurrency CloudのCEOは、Brexitが決まった場合、「ロンドンがフィンテックに適しているかわからない」とロイターに語りました。

 
[March 25, 2016]  No 031843380

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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