2分でわかるアメリカ

2016/03/09今年は少し違う、大統領選の年に起こること

夏のオリンピックと同じ年、4年ごとに実施されるアメリカの大統領選挙。選挙の年に特異な現象が起こることが確認されています。ドルが高いとか、株価が高い、など言われていますが、歴史をたどるとまちまち。ただ、一つだけ、確かなことがあります。アメリカに帰化する外国人が大幅に増えることです。

今年は増加率が極めて高い。去年8月から今年1月までの半年間の帰化数は前の6カ月と比べ14%増えました。2016年の帰化数は100万人に達する可能性があります。通常より20万人、もしくは20%多いということです。

なぜか。The New York Timesによりますと、大統領選の共和党の候補者指名争いで不動産王のドナルド・トランプ氏がリードしていることが大きいと伝えました。

トランプ氏は中国を批判、日本については為替を操作している、アメリカ人の仕事を奪っている、安保の負担が少なすぎるなどと強く非難しています。しかし、最も激しく批判しているのは国境を接するメキシコです。メキシコ人は麻薬密輸人であり、強姦魔だと差別的発言を繰り返しています。これを受けて、トランプ氏が大統領にならないよう投票するために、帰化するメキシコ人が急激に増えたと解説しています。帰化すると投票権が得られます。

アメリカでは、グリーンカード(永住権)を5年以上保有するなど一定の条件を満たせばアメリカの市民権、国籍を取得する資格が得られます。申請用紙を提出、680ドル(約7万6840円)の手数料をクレジットカードで支払い、オンラインでアメリカの歴史などに関する簡単な試験を受ければ帰化できます。

メキシコ人の多くは民主党の支持者です。民主党のオバマ政権は、大統領選を11月8日に控え、合法的に滞在するメキシコ人らの帰化を奨励しています。

CNNは、トランプ氏の演説会場で強制的に退場させられる抗議者が後を絶たないと報じました。抗議者は「トランプ氏はファシストだ」と罵声を浴びせています。一方で、移民局の帰化手続きをする事務所では、メキシコ人らが静かな抗議をしています。



[March 08, 2016]  No 031843366

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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