2分でわかるアメリカ

2016/02/13「過去5回の景気後退を9回も予測した」

様々な職種のアメリカ人の友人。「景気が悪い」という人は誰もいません。そうかといって「景気が良い」という人もいない。ロサンゼルスのレストラン、小売店はほどほど客がいるけれど、混んでいるわけではない。アメリカの景気はどうか、といま聞かれると、「普通」もしくは「良くも悪くもない」と答えると思います。それが街角の経済です。

アメリカの中央銀行であるFRBのイエレン議長は10日と11日の連邦議会での公聴会で、マーケットの混乱、中国をはじめとする世界経済の減速が、アメリカ経済に打撃となる可能性があるとの認識を示しました。ただ、雇用は堅調で、アメリカ経済は緩やかに回復していると述べました。一方、ニューヨーク連銀のダドリー総裁は12日、アメリカの家計と銀行は、経済的ショックに一段と耐えられる状態にあるとの見方を示しました。それを裏付けるように、アメリカ商務省が12日に発表した1月の小売売上高はまずまずでした。

年初からマーケットが不安定です。株式相場、原油相場、ドル相場が乱高下しています。伝統的に株式投資家が盛んなアメリカでは、特に株式相場の低迷を気にしています。株安もきっかけの一つになってアメリカが景気後退に陥るとの見方が少なくありません。ウォール街の著名なエコノミストやファンドマネジャーが、CNBCなどで連日、「アメリカ経済の危機」を論じています。

ノーベル経済学賞を受賞した故ポール・サミュエルソンはかつて「株式市場は過去5回のリセッション(景気後退)を9回も予測した」とコメントしました。景気の先行指数とされる株式相場が間違えることがあると皮肉ったものです。バンクオブアメリカは顧客向けのメモで、実体経済と比較した場合、金融市場がオーバーシュートした(行きすぎた)かもしれないとコメントしました。

株式を含めた金融市場が過剰反応した、別の言い方では間違えたのか、それとも正しいのか。答えは、時間が経過しないとわかりません。少なくとも、株式相場と街角経済にはギャップがあります。

米国時間週明け15日月曜日は「プレジデンツ・デー」で連邦祝日。お休みとし、翌16日に再開します。

 
 [February 12, 2016]  No 031843350

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.05.24 更新微妙な関係、米朝首脳会談と米中貿易協議トランプ大統領は22日、訪米した韓国の文在寅大統領とホワイトハウスで昼食をはさみ2時間にわたり会談しました。北朝鮮の体制維持などで意見を交換したもようです。会談…
  • 2018.05.23 更新「相当な確率でビットコインはゼロに」去年後半から年初にかけて世界を騒がせたビットコイン。一時は2万米ドルまで上昇するとの強気な見方がありましたが、最近では聞きません。低調な取引が続き、8000米ド…
  • 2018.05.22 更新「夜の灯」で景気判断、独裁国はGDP水増し?ワシントンポストに興味深い記事が掲載されました。中国、ロシア、その他の独裁国家がGDPを15〜30%「水増し」していることを衛星写真が強く示唆しているというもの…
  • 2018.05.19 更新米朝対話の鍵にぎる「謎の銀髪男」黄色信号が点滅した米朝首脳会談。トランプ大統領は17日、北朝鮮が対話に応じなければ最大限の圧力を維持すると警告しました。一方で、金正恩朝鮮労働党委員長が非核化に…
  • 2018.05.18 更新アメリカは好景気?それとも悪い?アマゾンが買収したホールフーズ・マーケット。オーガニックや自然食品で知られる高級スーパーですが、16日からアマゾン有料会員は一部の商品が10%オフになりました。…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ