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2016/02/11「CoCos」問題、ドイツ銀株反発も懸念

ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行の株価が急反発しました。10日のフランクフルト市場では一時17%も上げました。上昇率は約7年ぶりの大きさ。連動する形で、ミラノ市場ではウニ・クレディートが10%超上昇しました。パリ市場ではソシエテ・ジェネラル、そしてマドリッド市場ではサンタンデール銀行が大幅に値を上げました。このところの銀行株の急落を受けて、「バーゲン・ハンターが動いた」と伝えられました。

きっかけとなったのはFinancial Timesの報道です。ドイツ銀行が発行済み債券の一部買い戻しを検討しているとする関係者の話を伝えました。買い戻しのための資金が十分にあるとしながらも、まだ決定はしていないとしています。ほぼ同時のタイミングで、ドイツのショイブレ財務相とドイツ銀行のクライアンCEOが「ドイツ銀行の体質は強く、問題がない」と発言しました。

ただ、偶発的転換社債、いわゆるCoCos(Contingent Convertible bonds)はおそらく買い戻しに含まれないだろうとFinancial Timesは解説しています。ドイツ銀行が買い戻しを決めた場合は優先株が中心になり、高リスクのCoCosは含まない可能性が高そうだということです。

最近、経済ニュースでよく目にするCoCosとは一体どういうものか。カレー屋のチェーンではありません。当たり前ですが。簡単に言いますと、問題が生じた際に金利の支払いを停止することが可能で、発行銀行は債券を株式に転換することが強制できる高利回り債のことです。ロイターは、CoCosは金融規制の看板娘とも言える新型ハイブリッド債だったが、CoCosの一種であるAT1債の利払いが遅れるとの不安がマーケットで広がっていると伝えました。

典型的なCoCosの利回りは6-7%。ドイツ銀行を含めユーロ圏の銀行が発行したCoCosは総額で950億ユーロ(約12兆1600億円)あるとされています。不良債権化した場合の影響があまりも大きいため、危機は「リーマンショック」に相当する可能性があるとの懸念が一部であります。当面、CoCos問題がマーケット全体に影響しそうです。



 [February 10, 2016]  No 031843348

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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