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2016/02/05「FRB年内利上げ見送り」シナリオ

「FRBが利上げ、ECBと日銀は緩和」という去年から続いた世界のマーケットの最大のテーマが変わりつつあります。The Wall Street Journalは、3月の利上げはなし、年内の利上げすら見送られる可能性がある、と投資家が考え直しつつあると伝えました。

去年12月にFRBが0.25%の利上げを決めた際、2016年は4回の追加利上げを想定していることを示唆しました。しかし、年初から続く金融マーケットの混乱、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念などを背景に、FRBの利上げペースをめぐり意見が分かれはじめました。2回、もしくは3回との見方が増えました。その見方が3日に一段と後退しました。The Wall Street Journalは、ゴールドマン・サックスは「もはや3月の利上げがあるとは考えていない」としています。

きっかけとなったのは、ニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言。MNIのインビューの中で、経済減速を懸念、状況を慎重に見守る考えを示しました。これに同調する形で、ダラス地区連銀のカプラン総裁は4日、追加利上げはまだ先との認識を示し、非常に忍耐強くありたいと地元の会合で述べました。

投資家のFRB利上げをめぐる見方の変化を受け、米国債の利回りが低下、外国為替マーケットでは米ドルが幅広く売られています。日銀のマイナス金利導入を受けた米ドルの対円での上昇が反転しました。米ドルは、対ユーロ、対ポンドなどで売られています。原油は基軸通貨の米ドルで決済されるため、ニューヨークとロンドンの原油価格がドル安を受けて上昇しました。原油高を受け、カナダドルや豪ドルなど資源国通貨が買われました。

アメリカ経済の先行きに不透明感が増していることも、利上げ観測の大幅後退につながっています。GDP、小売売上高、製造業の景気指数など、アメリカ経済にブレーキがかかっていることを示す経済指標の発表が相次いでいます。

投資家の心理は変わりやすいので、ここ2日のマーケットの動きか継続するかどうかは不明です。FRBの金融政策を見極める上で重視される雇用統計が5日に発表されます。投資家心理、マーケット全体に影響しそうです。


[February 04, 2016]  No 031843344

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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