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2016/01/30マイナス金利、欧州ではこうなった

日銀が、民間銀行から預かっている当座預金の一部に0.1%のマイナス金利を適用することを決めました。9人の政策委員のうち、黒田総裁を含む5人が賛成しましたが、4人が反対。異例の僅差による決定で、日銀内でも効果に懐疑的な見方があることを示しました。

マイナス金利の導入は日本では初めてのことで、どこまで効果があるのか、どのような副作用があるのかは外国でも見方が分かれています。先行してマイナス金利を導入したヨーロッパでは、どうなっているのか。

ECBは2014年6月に中銀預金金利をマイナス0.1%にすることを決めました。今回の日銀の措置と類似しています。ECBのマイナス金利は、ユーロの価値を押し下げ、輸出を押し上げました。ただ、経済は限りなくゼロに近いプラス成長が続いています。デフレ懸念が解消されず、ECBは去年12月、中銀預金金利をマイナス0.3%に追加利下げしました。

The Wall Street Journalは、ヨーロッパ各国では、今のところ、マイナス金利の効果が統計上、確認できたとまでは言えないと伝えました。

マイナス金利を導入しているスウェーデンでは、2013年以降、インフレ率がゼロに限りなく近い状態が続いています。

スイス国立銀行は、2014年にマイナス金利の導入に踏み切りました。通貨安を誘導するのが狙いでしたが、スイスフランは対ユーロで急上昇、マイナス金利導入前と比べスイスフランは10%以上高い水準で取引されています。また、預金をしている個人から手数量の徴収をはじめる銀行が登場しました。マイナス金利の負担を消費者に移す動きです。

デンマークでは、マイナス金利導入により、通貨クローネの急上昇が止まり、成長率が安定しました。ただ、住宅ローン金利がマイナスになり、住宅バブルの懸念が出ています。

The Wall Street Journalは、ヨーロッパのマイナス金利という冒険は始まったばかりで、どのような結末になるのかわからないと解説しました。スウェーデンのマイナス金利幅は1.1%、スイスは0.75%、デンマークは0.65%です。日銀の0.1%のマイナス金利がさらに引き下げられる可能性があります。ただ、その効果は未知数。黒田総裁のギャンブルとも言えます。


[January 29, 2016]  No 031843340

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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