2分でわかるアメリカ

2016/01/22リセッション議論と現実

モルガン・スタンレーは、世界経済が今年リセッション(景気後退)入りする可能性が20%あると予想しました。世界のマーケットが年初から不安定になり、世界最大の経済、アメリカもリセッションになる、もしくは既になっている、などと幅広く議論されています。きのう、運転中に聞いたラジオで延々とやっていました。

確かに、最近発表されたアメリカの経済指標はやや弱めです。しかし、アメリカで暮らしていると「景気が悪くなっている」とは感じません。例えば、人事担当の知人は「募集をかけても応募者が極端に少ない」と話しています。高級スーパー・マーケットのホールフーズは、相変わらず混んでいます。ティファニーの決算が悪かったのですが、これはドル高の影響によるもので、特殊ケースだと思われます。2008年から2009年にかけての金融危機の際、もしくは9.11のニューヨークの同時多発テロ後に強く感じた「景気の冷え込み」は実感できません。

The Wall Street Journalのチーフ・エコノミストは、年初からの株式相場の急落はリセッションの前兆でもなく、リセッションのきっかけにもならないだろう、とするコラムを投稿しました。問題は、政策当局、特にFRBの金融政策をマーケットが信頼していないことだと主張しています。

ECBのドラギ総裁は21日の理事会後の会見で、3月に金融政策スタンスを見直す考えを示しました。これを受けて、マーケットが落ち着き、「通常の状態」で想定される動きになりました。ドラギ発言でマーケットが混乱した12月とは、異なる反応です。

FRBは来週26日と27日に金融政策を決めるFOMCを開催します。ほとんどのエコノミストは政策金利を据え置くと予想しています。ただ、世界規模のマーケットの混乱、アメリカの景気認識について声明がどう言及するか、エコノミストが注目しています。来週は、日銀の会合もありますね。



 [January 21, 2016]  No 031843335

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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