2分でわかるアメリカ

2016/01/20原油はどこまで下がる?

年初からのマーケットのテーマは中国と原油。中国経済の減速を受けて原油需要が低迷し価格が下がる、と2つのテーマは繋がっています。ただ、原油価格は中国問題以外にも売られる材料が多くあります。

アメリカが40年ぶりに原油輸出を解禁したこと、長年に渡って世界の原油価格に大きな影響を与えてきたOPECの足並みが乱れ、原油生産の調整ができないことが原油価格の下落につながっています。特にOPECの大国、サウジアラビアとイランが緊張関係にあり、話し合いすらできていないことが影響しています。また、タイミング悪くイランへの経済制裁が解除されたことで、イランが輸出を拡大する計画です。極端な供給過剰になっています。

12月はじめ、原油価格の下値メドは2009年1月に記録した過去10年の安値である32ドルだとされていました。しかし、32ドルをあっさり割り、心理的な節目の30ドルも割りました。ゴールドマン・サックスのアナリストが先月、20ドルまで下落する可能性があるとコメントしていましたが、現実味を帯びてきました。

ここにきて、さらに悲観的な見方が増えてきました。JPモルガン・アセット・マネージメントのストラテジストは、原油価格がバレルあたり10ドルまで下落する可能性があるとThe Streetにコメントしました。ただ、10ドルは一時的で、30ドル付近で安定するだろうと予想しました。

The Telegraphによりますと、スタンダード・チャータードも原油価格が10ドルまで下落すると予想しました。ゴールドマン・サックス、RBS、モルガン・スタンレーも弱気な見通しを持っているとしています。一方、RBSキャピタル・マーケッツのコモディティ担当は、20ドル近辺まで原油安が進むとCNBCにコメントしました。

強弱感はありますが、大半のストラテジストやアナリストは、現在の水準より大幅に原油価格が下落すると予想しています。カナダ、メキシコ、ベネズエラ、ロシア、ノルウェーをはじめとする産油国の通貨は原油価格に敏感。豪ドル、NZドル、南アフリカランドの資源国通貨にも影響します。当面、原油市場から目が離せません。



 [January 19, 2016]  No 031843333

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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