2分でわかるアメリカ

2016/01/14大統領選と株価の関係

ウォール街の知人は「4年に1度の大統領選の年は株が上がる」と期待しています。しかし、ニューヨーク株式市場では年初から株が売られ、最初の1週間のパフォーマンスは過去最悪でした。1月半ばになっても不安定な相場展開が続いています。ファンド・マネジャーがベンチマークにしている株価指数S&P500は、年初から約5%下落しました。

知人の期待は裏切られるのか。キーワードは「2期目の選挙」にありそうです。どういうことかと言いますと、アメリカの大統領の任期は最大で2期8年で、1期目の終盤に実施される大統領選の年は株価が上がる傾向にあります。しかし、2期目の終盤の選挙の年は株価が下がるケースが多くあります。

CNBCによりますと、1900年以降のS&P500の推移を調べると、大統領任期8年目の年、つまり大統領選2期目の終盤の年は平均で1.2%下落。上昇したのは44%と半数を割っています。最悪はジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)の2期目最後の年である2008年で、年間下落率は41%でした。この年の9月15日に投資銀行のリーマン・ブラザーズが破たんしました。いわゆるリーマン・ショックです。

大統領1期目の大統領選では現役の大統領が有利になりますが、2期目最後の選挙では、誰が大統領になるかわからないという不透明感が株価に影響しているとみられます。任期終盤で政治的に機能しない「レームダック」の状態になることも影響します。さらに今年は、中国の経済減速と人民元切り下げ、原油相場の急落などが加わり、経済、企業業績の見通しの不透明感が増しています。

特に8月は、大統領1期目と2期目の最後の年で大きく明暗が分かれるとCNBCが伝えました。8月というタイミングは、民主党と共和党の候補者が決まり、本番の選挙結果の見通しが出始める頃です。現役の大統領と同じ政党の候補者が勝利する見通しの年は82%が上昇。違う政党の候補者になりそうな場合は、過去の下落確率が86%と高くなっています。



 [January 13, 2016]  No 031843330

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.05.25 更新輸入車25%関税の衝撃トランプ政権は23日、自動車の輸入が安全保障におよぼす影響について調査を開始すると発表しました。予想されていたことですが、それでも世界に衝撃を与えました。アメリ…
  • 2018.05.24 更新微妙な関係、米朝首脳会談と米中貿易協議トランプ大統領は22日、訪米した韓国の文在寅大統領とホワイトハウスで昼食をはさみ2時間にわたり会談しました。北朝鮮の体制維持などで意見を交換したもようです。会談…
  • 2018.05.23 更新「相当な確率でビットコインはゼロに」去年後半から年初にかけて世界を騒がせたビットコイン。一時は2万米ドルまで上昇するとの強気な見方がありましたが、最近では聞きません。低調な取引が続き、8000米ド…
  • 2018.05.22 更新「夜の灯」で景気判断、独裁国はGDP水増し?ワシントンポストに興味深い記事が掲載されました。中国、ロシア、その他の独裁国家がGDPを15〜30%「水増し」していることを衛星写真が強く示唆しているというもの…
  • 2018.05.19 更新米朝対話の鍵にぎる「謎の銀髪男」黄色信号が点滅した米朝首脳会談。トランプ大統領は17日、北朝鮮が対話に応じなければ最大限の圧力を維持すると警告しました。一方で、金正恩朝鮮労働党委員長が非核化に…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ