2分でわかるアメリカ

2016/01/07円高と米ドル高とFRB

年初から円が幅広く買われています。対主要通貨で急上昇しました。中国や中東など地政学的リスクが影響、逃避の円買いが進みました。

円が対米ドルで118円台に上昇したことで、日本人の多くは「米ドル安が進んだ」と思っているかもしれません。実際には、米ドルは対円以外では大幅に上昇しています。対主要通貨のドルの動きを示すドル指数が去年はじめから右肩上がり。対新興国通貨でも全面高です。6日の取引では北朝鮮という新たな地政学リスクが加わり、マーケット全体をみると「円高であり、米ドル高でもある」状態になっています。

去年から続く米ドル高でアメリカの大手メーカーが打撃を受けています。アメリカの製造業は、去年11月と12月に生産が縮小して2009年以来の低迷を記録。12月のシカゴの製造業景況感指数は2009年7月以来の低水準になっています。11月の建設支出は2014年6月以来で初めて減少しました。

製造業の低迷について、The Wall Street Journalは、米ドル高とエネルギー価格下落が大きく関連していることは言うまでもないと解説しました。その上で、金融政策の方向の違いで米ドルが上昇しているが、問題となるのはFRBがどの程度まで米ドル高を容認するかだとしています。そして、FRBの容認度が、今後どれだけ積極的に利上げしていく可能性があるかを決める重要な要因となると伝えました。

FRBが利上げに踏み切り、追加利上げする方向にあることで、米ドルが上昇。結果としてアメリカの製造業が打撃を受け、それが追加利上げペースに影響するというものです。The Wall Street Journalは「製造業の減速は無視できない。これが原因となって、FRBの利上げはより緩やかなペースになる可能性がある」と分析しました。



[January 06, 2016]  No 031843324

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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