2分でわかるアメリカ

2015/12/31フィンテック元年、勝ち組と負け組

伝統的に古い体質の金融機関で技術革新が進んでいます。

2015年は、金融を意味する「ファイナンス」と技術を意味する「テクノロジー」を合わせた「フィンテック(Fintech)」という造語が幅広く使われた1年でした。金融とITを融合した技術革新のことで、スマートフォン関連技術やビッグデータなどを生かした新しい金融サービスを指します。金融に関連したソフトウェアとも言えます。

フィンテックの進化により、個人の暮らしが大きく変わりました。アメリカでは、スマートフォンで小切手を簡単に入金できるようになりました。個人的に、銀行の窓口を訪れる頻度が激減しました。高校生の娘は、iPhoneでランチの割り勘を決済しています。いわゆるモバイル決済。ハワイのABCストアでは、アップル・ペイが使えました。

フィンテックは金融業界の地図を変える可能性があります。オートマス・リサーチの調査では、投資銀行業とトレーディングの収入が多いJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスが勝ち組。決済、ビットコインの技術に代表されるブロックチェーン、さらには自動売買などの技術をうまく学び、実績を残したとしています。ビザとマスターカードも勝ち組に入ると指摘しました。

反面、フィンテック時代の負け組は、アメリカン・エキスプレス(アメックス)だとオートマス・リサーチがコメントしました。高い手数料を取るビジネス・モデルが影響しているとしています。「アナログ」な投資家ウォーレン・バフェット氏が株式を大量保有するアメックスの株価は今年24%も下落しました。

フィンテックを支えているのは、ウォール街の元幹部です。JPモルガン・チェース、ゴールマン・サックス、モルガン・スタンレーといった大手金融機関の元幹部がシリコンバレーのフィンテック関連のベンチャー企業に多額の投資をしています。ウォール街の元大物がウォール街を変えるという図式になっています。

2015年はフィンテック元年。そして、2016年はフィンテックがさらに進化する年になることは確実な情勢です。


 [DECEMBER 30, 2015]  No 031843321

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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