2分でわかるアメリカ

2015/12/16「リスクを取りたくなかった」

ロサンゼルスでは今朝、子供を持つ家庭がいつものように登校の準備をしていました。テレビをつけると、目を疑いました。「ロサンゼルス学校区が休校」と画面に表示されていたからです。

今朝のロサンゼルスの気温は摂氏6度でした。今年一番の冷え込み。この時期、大雪などで東海岸の学校が休校になる話を時々聞きますが、今朝のロサンゼルスは寒いとはいえ晴天。天候が原因で休校になったことは過去に一度もありません。今朝5時ごろ、学校関係者に爆弾を仕掛けたとする脅迫があったことがテレビを見ていて直ぐに分かりました。

ロサンゼルス学校区の幼稚園、小学校、中学、そして高校には、合わせて約70万人の子供が学んでいます。約100万人の児童、生徒がいるニューヨーク市に続いて全米で2番目の規模。ニューヨークと異なるのは、ロサンゼルス学校区が極めて広い地域におよんでいることです。爆弾が仕掛けられたとされる「バックパック」や「パッケージ」の捜索が全ての学校で徹底されました。広い地域だけに、警察の捜索がいかに困難なことか想像できます。ちなみに、娘が通うサンタモニカ・マリブ学校区や日本人が多いトーランス学校区、そして、ディズニーランドがある近郊のアナハイム学校区は通常通りでした。

ニューヨークの学校区にも同様の脅迫があったことが後に分かりました。「いたずら」として処理されたそうです。ロサンゼルスでは、2週間前に近郊のサンバーナーディーノで、過激派組織ISISの思想の影響を受けた夫婦が乱射事件を起こし14人が死亡した事件があっただけに、脅迫がいつになく重く受け止められました。「過剰な対応」に一部で批判が出ていますが、ロサンゼルス市の教員委員長は「リスクを取りたくなかった」と述べています。ロサンゼルスの学校は、年内は今週末まで。その後は約3週間の冬休みに入ります。

オバマ大統領は昨日14日、ISISへの攻撃を強化する意気込みを記者会見で示しました。それから24時間もしないうちに発生した今回の「脅迫騒ぎ」。ISIS、そしてテロへの恐怖があらためて意識された1日でした。ロサンゼルス警察によりますと、脅迫はドイツのフランクフルトのIPアドレスから出されていました。



[DECEMBER 15, 2015]  No 031843311

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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