2分でわかるアメリカ

2015/12/15「安い買い物だった」

今年秋、東京、ロンドン、シンガポールに出張した際、それぞれの街で『スター・ウォーズ』のイベントやマーチャンタイズ商品が非常に目につきました。「映画公開は12月なのに」と思っていました。

アメリカではいま年末商戦の真最中ですが、今年一番の売れ筋はスマホで操作する「スター・ウォーズ」のフィギュアだそうです。なぜ早くもこれほど盛り上がっているのか。ディズニーのマジックだと言えそうです。

『スター・ウォーズ』は1977年にわずか42スクリーンで全米公開されました。3000-4000スクリーンでの公開が大型と呼ばれますが、それを考えると当時はいかに注目度が低かったかがわかります。その後は社会現象になるほど世界的にヒット、第6部作まで製作されました。「伝説の作品」です。クリエーターのジョージ・ルーカスはビリオネアになりました。

2012年、ジョージ・ルーカスが持つルーカス・フィルムをウォルト・ディズニーが買収しました。買収額は40億ドル(約4800億円)。ウォール街のアナリストや映画関係者は「高すぎる」と思いました。いかに「伝説」だからといえ、「古すぎる」からです。

3年後のいま、誰もが「バーゲンだった」と考えています。ディズニー製作の最新映画『スター・ウォーズ・フォースの覚醒』が今週木曜日18日に世界同時公開されます。前売りだけで既に5000万ドル(約60億円)が完売。今週末の北米の興行収入は1億7500万-2億5000万ドル(約300億円)、最終的な世界の興行収入は20億ドル(約2400億円)を超えることが確実と予想されています。過去に20億ドルを超えたのは、『タイタニック』と『アバター』の2作だけ。The Financial Timesは過去最大の映画になる可能性があると解説しました。

一方、マーチャンタイズの売り上げは今年だけで17億ドル(約2040億円)に達する見通し。さらに、DVD、テレビ放映権、ディズニーランドのアトラクションの収入もあります。今後5年間でさらに4作が公開され、『スター・ウォーズ』による売上は250億ドル(約3兆円)を超えるとウォール街のアナリストが試算しているとLos Angeles Timesが伝えました。マーケティングがハリウッドで最も優れているとされるディズニーの力です。凄いです。



 [DECEMBER 14, 2015]  No 031843310

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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