2分でわかるアメリカ

2015/12/12「お金持ちの掟107」FRB利上げでどうする

ピュー・リサーチ・センターがFinancial Timesと協力して実施した調査によりますと、アメリカの中間層が全体の約半分に縮小しました。1960年代の中間層の割合は61%でした。半分になったのは過去50年で初めてのことです。中間層の定義は、3人家族、世帯年収が4万1869米ドル(約510万円)〜12万5608米ドル(約1532万円)。

Financial Timesは、アメリカでは、中間層の所得を大幅に超える年収がある裕福な世帯の割合が増えたと伝えました。その一方で、貧困層の世帯が増加していると解説しました。新興国にみられる2極化が進み、特徴は新興国と比べ「リッチ」が非常に多いことです。

アメリカではいま、FRBが来週の会合で利上げすることが既成事実のように伝えるメディアが目立ちます。それほど確実視しています。金利上昇で、住宅ローン、自動車ローン、学生ローンなどの負担が増え、貧困層や中間層の生活が一段と苦しくなるとの解説があります。また、オバマケアの影響で企業の負担が増えた上に、金利負担も増えると、しわ寄せが労働者の賃金にくる可能性があるとの指摘もあります。

アメリカの有力企業の多くは、今年春から夏にかけ社債を大量発行しました。発行額は1兆米ドル(約120兆円)を越しました。FRBの利上げを控え、金利が低いうちに現金を可能な限り多く引き出すのが狙い。現金が円換算で24兆円もある「キャッシュ・リッチ」のアップルですら社債で現金を調達しました。

お金持ちの個人も利上げ前に借金を増やしたのか。そう思ったのですが、逆のようです。ブルームバーグによりますと、アメリカの所得額上位の債務は今年15%も減りました。過去10年で最大の減少率。金利負担が増える前に、可能な限り借金を返していることを示しています。お金持ち企業と個人が別方向に動いていて、興味深いです。

FRBが予想通り来週の会合で利上げに踏み切った場合、世界のお金持ちにも影響します。個人的には、利上げでマーケットが大きく動き、世界のお金持ちが最も影響を受けると予想します。
 


[DECEMBER 11, 2015]  No 031843309

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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