2分でわかるアメリカ

2015/12/04今年355番目の銃乱射事件

また悲劇が起きました。ロサンゼルスから東にクルマで約1時間-1時間半のところにあるカリフォルニア州サンバーナーディーノ。人口20万人、ヒスパニック系が約50%とマイノリティが多く、犯罪多発地帯としても知られています。その街にある福祉施設で2日、銃乱射事件が発生、14人が死亡、17人が負傷しました。アメリカ人のサィード・ファルーク容疑者とパキスタン生まれの妻タシュフィーン・マリク容疑者は、警察との銃撃戦で射殺されました。事件に使用された複数の銃やピストルは、合法的に購入されたことがわかりました。

ロサンゼルスというアメリカ第2の都市近郊であった事件であり、パリの同時多発テロ、コロラド州の医療施設での銃乱射事件があった後だけに、アメリカのメディアはサンバーナーディーノでの事件報道一色です。現時点で動機は特定されていません。「テロと個人的問題のハイブリッド」説も出ています。

The Washington Postは、サンバーナーディーノの事件は、今年355番目の銃乱射事件だと伝えました。犯人を含め4人以上の犠牲者を出した銃乱射事件の数で、サンバーナーディーノの事件があった昨日2日には、ジョージア州でも銃乱射事件が発生しました。銃乱射事件数はすでに去年を上回り、363件が発生した2013年のペースを上回るペースだとしています。異常としか言いようがありません。

オバマ大統領は、銃乱射事件がこれほど頻繁に起きる国は「世界のどこにもない」と述べ、議会に銃規制を強化する法案を可決するようあらためて求めました。

メディアが大騒ぎ、銃規制の必要性を訴える社説を掲載。そして大統領が議会に協力を求めることが過去何度も繰り返されました。しかし、状況は改善するどころか、悪化しています。ワシントンDCには、銃メーカーなどが積極的なロビー活動を展開、銃規制法案が議会を通過する可能性は極めて低いとみられています。銃乱射事件が発生するたびに、護身用に銃を購入する人が増えるという皮肉な現象も繰り返されています。

銃の問題は、極端に高い医療費、格差、人種差別問題などと並ぶアメリカの病巣です。大統領選を来年に控える中、病巣の治療に関する議論が高まることを期待したいです。



[DECEMBER 03, 2015]  No 031843304

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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