2分でわかるアメリカ

2015/11/17傷だらけのベン

ロンドンに昨夜、着きました。予想していたほど寒くはないのですが、いつもの曇り空。これもロンドンの象徴の一つでしょうか。

ロンドンを最も象徴する建造物といえば「ビッグベン」。世界で最も有名な建築物の一つです。バッキンガム宮殿と合わせ、ビッグベンには、いつ行っても大勢の観光客がいます。

ゴシック建築のビッグベンは、イギリスの国会議事堂に相当します。その議会でいま、大規模な修復問題が話題になっています。

約900年前に建てられたビッグベンは、1800年代半ばに火事で大破しました。大規模に修復工事されたものが現在のビッグベン。その後の160年間、修復らしい修復が行われませんでした。

The Wall Street Journalによりますと、3800ある窓の中で完全に閉まる窓は一つもなく、雨漏り箇所が何箇所もあります。大雨で洪水のような状態になることもあり、歴史的な内装や家具が傷んでいます。歴史的なティールームの床にはネズミが走っているそうです。

イギリス議会とデロイト不動産が共同で調査した報告書によりますと、ビッグベンの修復には日本円に換算して6000億円-1兆3000億円程度かかる見込みです。議会の機能を維持したまま修復工事を進める場合は32年かかると試算されました。最も安い方法は議会を移転し、6年で修復工事を終わらせるというものです。この場合、議会をどこに移すのか。イギリス第2の都市バーミンガム、もしくはロンドンの東側に移す案があがっています。イギリス議会は、ビッグベンの修復について来年、方針を決める方向です。いずれにせよ、歴史的なプロジェクトになりそうです。

ロンドンの中心部は、何百年もたった建造物ばかり。ホテルのシャワーがまともに出ない、窓から隙間風が入ることを過去に何度も経験しました。ビッグベンの修復問題は、産業革命で大きな発展を遂げたロンドンの今を象徴していると言えます。



 [NOVEMBER 16, 2015]  No 031843293

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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