2分でわかるアメリカ

2015/11/06対応分かれたアマゾンとグーグル

アマゾン・ドットコムが3日、本拠地があるアメリカ西海岸のシアトルにリアル店舗を開業しました。シアトルのメディアによりますと、入店するのに行列ができるほど賑わっているそうです。全米の主要メディアが大きく報道、いい宣伝になったのではないかと思います。

リアル店舗の開業は、オンライン専門の書店として開業したアマゾンのルーツに逆行する動き。「多くの書店を廃業に追い込んだアマゾンがリアル店舗を開業するのはけしからん」などと批判が出るのも理解できます。

シアトルのリアル店舗「アマゾン・ブックス」では、オンライン専門店での顧客評価や販売状況に基づいて販売する本が選ばれます。価格はオンラインと同じなので魅力があります。近くの倉庫から素早く本を補充する実験にもなるとThe Wall Street Journalが伝えました。Journalはまた、電子書籍の販売が頭打ちだと解説しました。リアル店舗は古いビジネスながら、アマゾンによる新たなベンチャーだと言えます。

アマゾンがリアル店舗を開業した同じ日、グーグルの親会社であるアルファベットがニューヨークでのリアル店舗の開店を断念しました。アップルストアの第1号店があるマンハッタンのソーホー地区に約500平米のスペースを借り、改装も終えていました。クロームブックやグーグル・ネクサス・タブレットなどの製品を展示、販売する計画でした。しかし、採算が合わず、サブリース(又貸し)することを決めたと報じられました。アルファベットは今年初めロンドンに第1号店を開いています。

「オンライン全盛」と言ってもアメリカの小売業全体に占めるシェアはまだ10%程度しかありません。まだまだ伸びる余地があると言えますが、視点を変えるとリアル店舗にもまだ魅力があるということでしょうか。あるいは、リアルとバーチャルのシナジー効果が議論されている可能性もあります。



[NOVEMBER 05, 2015]  No 031843286

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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