2分でわかるアメリカ

2015/11/04イスタンブールのホテルでの密会、何を話した?

イラクとシリアで拡大する過激派組織ISIS(イスラム国)関連のニュースを、アメリカの主要メディアが連日大きく詳しく伝えています。アメリカ軍が深く関わるISISへの攻撃に、ロシアが異なる目的で参戦し状況が複雑化したことも報道合戦を加速させる要因になっています。

一連の報道の中で、The Wall Street Journalの記事が目を引きました。アメリカの財務省とFRBが、アメリカが提供したドル資金がISISの資金源になっている恐れがあるため、イラクの中央銀行への現金提供を一時的に止めたというもの。軍当局は、アメリカの武器がISISに渡らないか懸念しているのと同様に、財務・金融当局はアメリカの資金がISISに渡っていないか懸念しているとしています。

ISISの資金源は、税収の略奪や石油の闇販売などで得た利益などとされてきましたが、FRBの資金が間接的にでもISISに渡っているというのは衝撃な事実です。

きっかけは去年12月に、トルコのイスタンブールのホテルの会議室で行われたアメリカ財務省とFRBが呼びかけたイラク政府との密会だとThe Wall Street Journalが伝えました。アメリカ側はイラクへの送金量が大幅に増えていることを懸念、最終的に資金がどこに流れているのかを問いただしました。2014年にニューヨーク連銀がイラクの中央銀行へ送金したドルの現金は136.6億ドル(約1兆6528億円)と、2012年の3倍以上に達しました。

調査の結果、アメリカのニュージャージーにあるFRBの施設に保管されていた100ドルの新札は、イラクの首都バグダットに運ばれ、中央銀行の金庫に保管されました。イラクの中央銀行は約2000の金融機関を対象にオークションを毎日実施、ドル資金を提供しています。金融機関はイラクの通貨ディナールでドルを調達します。アメリカの当局は、ISISと関係が深い複数の金融機関がオークションに参加していると疑っています

戦争だから何でもあり、と言ってしまえばそれまでですが、見方によってはアメリカが戦争を拡大させているという状況は極めて深刻です。



[NOVEMBER 03, 2015]  No 031843284

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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