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2015/10/30それで「12月利上げ」はある?

世界が注目したFRBが金融政策を決める28日のFOMCは、予想通り金利を据え置きました。ウォール街のエコノミストらにとって「サプライズ」だったのは、12月の利上げの可能性を強く示唆したことです。

FOMC後に発表された声明の3パラグラフ目。「フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを、次回の会合で引き上げることが適切かどうかを決めるにあたって、最大雇用とインフレ率2%に向けた実績と見通しの両方を評価する」と書かれています。

元FRBで、現在JPモルガンのエコノミストのマイケル・フェロリ氏は、FOMCの声明が、次の会合で利上げする可能性を直接言及したのは1999年以来で初めてだ、とロイターに語っています。極めて異例だということです。

FOMC前は、マーケットでは「利上げ時期は来年3月」との見方が優勢でした。いまは、来年1月26-27日のFOMCで政策金利を引き上げる可能性が最も高いとの見方が多いようです。ロイターによりますと、先物市場は、次回12月15-16日の会合での利上げの確率が43%と予想、声明発表前の34%から大幅に増えました。

いずれにせよ、FOMCの声明を受け、12月利上げを見込んだポジションを取るマーケット関係者が大幅に増えました。期待感が大きいだけに、FRBが12月に利上げを見送ると失望感でマーケットが大きく動揺する可能性があります。また、イエレン議長をはじめFRB幹部が繰り返し「年内利上げの可能性」を強く示唆してきたため、FRBへの信任が揺らぐ可能性があるとの指摘があります。FRBがジレンマに陥る可能性があります。

29日に発表されたアメリカの第3四半期(7-9月)のGDP速報値はやや弱め、予想にわずかに届きませんでした。それでも、金利先高感から米国債利回りは上昇しました。12月のFOMCまでに、2回の雇用統計が発表されます。また、12月2日にはイエレン議長の演説が予定されています。インフレ率も発表されます。今から12月16日までの間、世界のマーケットは、データとFRB幹部の発言に大きく揺られることになりそうです。

 
 [OCTOBER 29, 2015]  No 031843281

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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