2分でわかるアメリカ

2015/10/292つの巨人とその他

サンタモニカとビバリーヒルズを結ぶウィルシャー通り。ビーチから車で走ると15丁目にドラッグストア・チェーンのRite Aid(ライト・エイド)が左側に見えてきます。さらに3ブロック行くと右側にまたライト・エイド、そして20丁目に別のドラッグストアのWalgreen(ウォルグリーン)があります。さらに走ると、今度は別のドラッグストアであるCVSが右側に。ドラッグストアだらけ。しかもすべて大規模店です。

業界2位のウォルグリーンは27日、3位でライバルのライト・エイドを172億ドル(約2兆640億円)で買収することで合意したと発表しました。一株あたり9ドル。前日の終値の48%ものプレミアがつけられました。ウォルグリーンがいかに買いたかったかを物語っています。ライト・エイドの経営者の方は、株主の利益を考えた「ディール」になったと考えていると想像します。

IBISワールドによりますと、アメリカのドラッグストアの市場規模は2630億ドル(約31兆5600億円)、合計利益は103億ドル(約1兆2360億円)と巨大です。業界のトップはCVSでシェアが58.1%。続くウォルグリーンのシェアは31%、3位のライト・エイドのシェアは10.3%です。2位と3位の合併が成立すると、大手2社で実に99.4%のシェアを持つことになります。

スーパーマーケットなどの小売チェーンでは業界再編が進んでいますが、ドラッグストアの再編は進みすぎたのではないかと個人的に思います。ドラッグストアといっても薬は店全体の10%程度しかなく、雑貨、飲料、スナック菓子の小売りが主体です。だからこそ、とにかく便利。2つの巨人による寡占化で、価格競争が一段激しくなってほしいと願うのですが、儲けるのは企業だけのような気がします。



[OCTOBER 28, 2015]  No 031843280

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.03.21 更新米中貿易協議、トランプ大統領の表と裏止まっていた貿易をめぐるアメリカと中国の協議が再開します。ムニューシン財務長官とライトハイザー通商代表が3月25日の週に北京を訪問し、劉鶴副首相らと協議。交渉期…
  • 2019.03.20 更新米経済、今年と来年は急減速との予想アメリカ経済が今年と来年に急減速する。FRBの会合(FOMC)前に実施するCNBCの最新の調査でエコノミストがこう予想していることがわかりました。調査にはアメリ…
  • 2019.03.19 更新オルーク氏は「第2のオバマ」?2020年の大統領選の候補者争いが本格化しています。共和党はトランプ大統領を再指名することが確実。対抗する民主党は、これまでに15人が候補者争いに名乗りをあげま…
  • 2019.03.16 更新ドレス脱いだゴールドマンバンク・オブ・アメリカが先月末、投資銀行部門と証券部門から「メリルリンチ」の名前を外すと発表しました。2008年の金融危機で破たん寸前に追い込まれた投資銀行のメ…
  • 2019.03.15 更新「1ドル=60円」の説得力今週、プライベートで日本に滞在しています。実家に行ったり、免許を更新したり。ここ数年、日本に来るごとに強く感じるのは物価の安さです。短期滞在した東京のホテル料金…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ