2分でわかるアメリカ

2015/10/28強気に出たオバマ、南シナ海に軍艦派遣

アメリカでは明日28日に、来年11月の大統領選の共和党候補者による3回目のテレビ討論会が開かれます。支持率でトップを走る不動産王のドナルド・トランプ氏が、優位な立場を維持できるかが焦点です。対する民主党候補のヒラリー・クリントン氏の動向も主要メディアが連日報じています。アメリカ人の関心は確実に、次のリーダーに向いています。

その一方で、バラク・オバマ大統領は2期目の終盤を迎え、オバマ時代を総括するフレーズに入りました。このタイミングでは、何も行動しない「レイムダック」状態になるケースが歴史的に多いのですが、オバマ大統領は積極的に行動しています。特に、弱腰と批判された安保、外交問題では大きな決断をしました。

撤退を決めたアフガン駐留部隊の残留を決めたのがその1つ。2つ目は、シリアやイラクの治安を脅かす過激派組織ISIS(イスラム国)への空爆作戦。これについては、シリアのアサド政権を支持するロシアが参戦したことで、作戦の変更を余儀なくされました。

そして27日。オバマ政権は、中国が実効支配する南シナ海にイージス艦「ラッセン」を派遣、岩礁から12海里以内を航行しました。「ラッセン」は27日に12海里の外に出ましたが、アメリカ軍は、今後も人工島周辺への艦船や軍機の派遣を繰り返す意向です。

オバマ政権の行動に中国は当然ながら反発しました。中国外務省の報道官は、「法に基づき、必要で合法な追尾、監視、警告を行った」ことを明らかにしました。先月のワシントンDCでの米中首脳会談で、中国の習近平国家主席は「南シナ海は中国固有の領土」だとして譲りませんでした。会談を受けてのアメリカ軍の行動であることは明らか、南シナ海を舞台にした米中関係の緊迫化は必至だと指摘されています。

中東問題と並び、対中外交がオバマ大統領の将来の評価を決めると言っても過言ではありません。主要メディアが南シナ海への「ラッセン」派遣を大きく、詳しく報じました。オバマ政権の一連の行動は、大統領選候補者による討論会でも、主要な議題になることは間違いありません。



[OCTOBER 27, 2015] No 031843279

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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