2分でわかるアメリカ

2015/10/27アップル、輝き失う?

今週土曜日にハロウィーンを控え、アメリカはオレンジ色になっています。ハロウィーンを象徴するオレンジ色のカボチャで飾り付けられた店舗が非常に目に付きます。映画館では、ホラー映画だらけ。ラジオ局はマイケル・ジャクソンの「スリラー」を高い頻度で流しています。サンタモニカの住宅街では、多額を投じた高級住宅の「お化け屋敷化」がピークを迎えています。

CNBCによりますと、ハロウィーンの前後の週は、株式相場が大きく変動するケースが歴史的に多いそうです。今週の日程をみると、株式相場を動かしそうな材料が豊富。FRBが金融政策を決めるFOMC、来週3日に財務省の現金が底をつくとされる中でギリギリの協議がはじまった議会の予算審議など。そして、ウォール街が最も注目しているのが、明日27日の取引終了後に発表されるアップルの第3四半期の決算です。

世界最大の時価総額を誇るアップルは、金融危機以降のアメリカの株式相場をけん引してきました。しかし、今月に入りアップルの株価が弱含んでいます。26日の取引でも売りが先行、2%超下げました。アップルに部品を提供しているダイアログ・セミコンダクターの決算と業績見通しが非常に弱く、ロンドン市場で急落したことが影響しました。アップルの第4四半期の業績見通しが予想ほど強くないのではないか、との懸念が広がりました。

Financial Timesは、利益の多くを生み出しているiPhoneの成長が減速するとの懸念が投資家の間で広がっていると報じました。中国経済の減速も成長に影響しそうだとしています。2桁成長が当たり前だったiPhoneの売り上げ増が、今後は3%程度にとどまるとの弱気の見方もあると伝えています。

今年発売したアップル・ウォッチの業績への寄与度も限定的です。先週、アップルストアに行った際、娘が興味深そうに見ていましたが、「欲しい」とは言いませんでした。個人的にも購入を検討しましたが、バッテリーが1日しか持たないこと、防水でなく泳げないこと、試してみるにしては価格が高いことなどで待つことにしました。アップル・ウォッチをしている人を見たことは1度しかありません。あまり売れていないのかもしれません。

新型のアップルTVが今週から販売されます。このカテゴリーでは、ROKUが市場の3分の1を抑え、グーグルが2位、アップルTVは全体の15%程度で3位です。コンテンツを囲い込めるかがカギとなりますが、利益率が高いiPhoneに替わる製品になるかは疑問です。エコシステムを押さえているため、ソニーのように急激に低迷するとは思えませんが、スティーブ・ジョブズ氏が存命中の輝きに陰りが出ているように思います。

アメリカの映画館ではいま、ホラー映画ではなく、スティーブ・ジョブズの伝記映画が大ヒットしています。



[OCTOBER 26, 2015]  No 031843278

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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