2分でわかるアメリカ

2015/10/23最強のエルニーニョ、経済と通貨への影響

最近、オーストラリアやニュージーランドの経済や通貨に関するアナリスト・レポートを読んでいて、気づくことがあります。エルニーニョ現象の影響に関する言及が多いことです。エルニーニョ現象については、アメリカでもメディアが積極的に取り上げています。

エルニーニョ現象とは、太平洋の赤道近くの海面温度が上昇する現象のことです。世界の気候に影響を与えます。語源は、スペイン語の「男の子」。ちなみに、エルニーニョ現象とは逆に、海水の温度が低くなる状態が続くことを「女の子」を意味するラニーニャ現象と呼びます。これも一種の異常気象です。

アメリカの気象当局は、今年のエルニーニョ現象が過去65年で最も大きな気象変化を引き起こす可能性があると警告しています。「スーパー・エルニーニョ」とも呼ばれています。

前回、エルニーニョ現象が世界で問題視された2009年には、インドなどで深刻な干ばつを記録、野菜や果物の被害が拡大、食料不足に苦しみました。今年は、フィリピンやインドネシアで雨量が極端に減り、「バナナ不足」になると一部で報じられています。

オセアニア経済に関するアナリスト・レポートでは、エルニーニョ現象によりオーストラリアとニュージーランドで深刻な干ばつの被害が広がる可能性が懸念されています。小麦などの生産への影響が懸念されるほか、飼料不足もしくは飼料費高騰による酪農への悪影響も予想されています。小麦はオーストラリアの主力、酪農はニュージーランドの重要な産業です。オセアニアの2通貨の相場に影響する可能性が指摘されています。

一方、深刻な水不足が4年以上続いているアメリカのカリフォルニアでは、一部で大量の雨が降ると予想されています。洪水、土砂崩れなどが警戒されています。再保険会社エーオン・ペンフィールドは、エルニーニョ現象による世界の経済損失は今後数カ月で80億ドル(約9600億円)を超える可能性が高いと月例報告書でコメントしました。カリフォルニアの被害は最低でも30億ドル(約3600億円)に届きそうだとしています。

ロサンゼルスの9月と今月は、過去に例がないほど気温が高く、湿度が高いのですが、これもエルニーニョ現象の影響だとみられています。前回雨が降った際、我が家では3カ所の雨漏りがありました。かなりひどかったです。エルニーニョ現象のニュースをみた妻が、屋根の修理業者に電話していました。



[OCTOBER 22, 2015]  No 031843276

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.07.21 更新「ドクター・コッパー」示唆する危機※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)国際商品市場で代表的な非鉄金属である銅相場の下げが止まりませ…
  • 2018.07.20 更新輸入車関税の方向決める1週間※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ商務省は、アメリカに輸入される自動車と自動車部品が安…
  • 2018.07.19 更新トランプ関税、今度はウラン?※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)先月末から今週初めにかけて、北朝鮮が高濃縮ウランの生産を強化…
  • 2018.07.18 更新ゴールドマンの次期CEOはクラブDJ※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカの金融機関大手ゴールドマン・サックスが17日、第2四…
  • 2018.07.17 更新遅刻の常習プーチン、擁護したトランプロシアのプーチン大統領は遅刻常習犯として知られています。日本の安倍首相、ドイツのメルケル首相、イギリスのエリザベス女王、ローマ法王をはじめ数多くの要人との会談に…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ