2分でわかるアメリカ

2015/10/22金利据え置いたトルコ中銀とカナダ中銀

トルコの中央銀行が21日、アンカラの本部で金融政策委員会を開き、政策金利を据え置くことを決めました。主要な政策金利である1週間レポレートを7.50%に据え置き、翌日物貸出金利を10.75%、そして翌日物借入金利を7.25%で維持しました。予想通りです。

時差の関係で数時間後、カナダの中央銀行は、政策金利を0.50%で据え置くとの声明を発表しました。こちらもマーケットの予想と一致しました。同時に公表した経済見通しでは、成長予想を小幅下方修正しました。

トルコとカナダはあまり似ていません。トルコは新興国であり、エネルギー源のほとんどを輸入に頼っています。一方のカナダは先進国であり、石油をはじめとするエネルギー源が豊富ないわゆる資源国です。

トルコはやり直し選挙を11月1日に控えています。選挙の行方が不透明であり、中央銀行は、エルドアン大統領やダウトオール首相らの「利下げを求める政治圧力」をかけられています。バークレイズのアナリストはバロンズに対し、「首都アンカラでおきた爆弾テロにより、選挙の不確実性が一段高まった。選挙は難しい連立交渉につながる可能性が高いが、テロが協議に影響するのかを見極めるのは時期尚早だ」などとして、トルコ中銀が政策金利を据え置くのはしばらく先になるだろうとコメントしました。

一方、カナダでは、総選挙が2日前に終わったばかり。接戦予想にもかかわらず、野党の自由党が圧勝しました。約10年ぶりに政権が交代します。政治の不透明感は消えましたが、次期首相に就任する自由党のトルドー党首が、公約の財政出動をどこまで押しすすめ、経済成長にどう影響するのかはまだみえません。大半のディラーは、中銀の次の動きは利上げとみていますが、利上げ時期は来年後半以降ではないかと予想しています。

2つの国の中銀は、いずれもアメリカのFRBの金融政策に敏感です。地理的に近いカナダは、アメリカ経済に大きく依存しています。一方、トルコには「ドルのキャリートレード」資金が大量に投資されていて、FRBが利上げに踏み切れば「巻き戻し」が加速することが予想されます。

主要産品も財政状況も環境も歴史も全く異なる2つの国の中央銀行の政策を比較することが、どこまで意味があるのかは疑問です。ただ、類似点が意外に多いことに気がつきます。



 [OCTOBER 21, 2015]  No 031843275

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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