2分でわかるアメリカ

2015/08/28生中継中に射殺、アメリカが抱える深刻な問題

アメリカのバージニア州モネータのショピングモール。CBS系のテレビ局WDBJ7で、24歳の女性レポーターが26日朝、生中継でインタビューをしていました。カメラの前に突然、男があらわれ発砲、女性レポーターと27歳の男性カメラマンが死亡しました。黒人の男は犯行後に逃走、警察の追跡を受け追い詰められ、最後に銃で自殺しました。

自殺した男は、黒人のベスター・フラナガン容疑者、41歳。殺された白人のアリソン・パーカーさんとカメラマンのアダム・ワードさんと同じWDBJ7の元社員で、2年前に解雇されていました。パーカーさんは近く婚約する予定でした。

放送中に画面に出ていたレポーターらが射殺されるという衝撃的な事件は、いまのアメリカが抱える深刻な社会問題を象徴するものでした。

まずは人種問題。過去2、3年、アメリカでは白人警官が黒人を射殺する事件が相次ぎました。人種差別、社会格差が絡むアメリカ社会を二分する問題に発展しています。フラナガン容疑者は、事件の2時間前、ABCテレビに23ページのファックスを送付、今年6月にサウスカロライナ州で起きた黒人教会銃撃事件に言及しています。黒人差別への報復が動機のひとつであることを示唆しています。

もう1つは銃の問題。オバマ大統領が、今回の事件は銃社会の悲劇だとして、銃規制の必要性をあらためて訴えました。乱射事件があるたびに繰り返されたことですが、銃メーカーのロビー活動も影響して、規制どころか銃の販売が増えているのが現状です。

アメリカは世界最大の経済であり、世界の頭脳と資金が集まり、世界最高の技術や教育があります。しかし、人種差別と銃犯罪の問題は、世界のどの国よりも深刻です。


 [August 27 2015]  No 031843237

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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