2分でわかるアメリカ

2015/08/19アマゾンはブラック企業?

シアトルに本社を置くアマゾン・ドット・コムといえば、過去20年で、アメリカで最も成功した企業のひとつ。創業者のジェフ・ベゾス氏は、最も優れた経営者のひとりとされています。そのアマゾンが「ブラック企業」と言えるほど、冷淡な労働環境にあるのではないか、との記事が大きな話題となっています。ちなみに「ブラック企業」は日本の造語です。

きっかけは、15日付けのThe New York Timesの長編記事でした。現役の社員と元社員合わせて100人以上へのインタビューをもとに構成された記事で、非常に衝撃的な内容。http://nyti.ms/1Pi2MIy

以下は報じられたアマゾン本社の状況の一部です。

「ガン治療をしていた女性が治療後に「低評価」がつけられた。乳ガン治療のため休んだ女性は「解雇候補」になった。病気になっても、家族に不幸があっても休暇をとることが事実上許されない。」

サボっていたり、無駄な働きをする社員を密告する制度がある。同僚に対する批判が奨励され、査定評価にもつながる。」

「深夜に業務メールがきた場合、すぐに明確な回答をしなければ処分の対象になる。」

「あまりにも業務が過酷で、ほとんどの同僚がデスクで涙を流して泣いている。」

壮絶ともいえる過酷な労働環境、しかも人事制度が冷淡。入社しても直ぐに退社する社員が後をたたないとThe New York Timesが伝えました。

ジェフ・ベゾスCEOはすぐに反応、CNBCに対し、「こんな会社では、自分も働きたくない」とコメントしました。一方で、ベゾスCEOは、記事の一部は職場の状況を正確に描いていないと反論。従業員に対しては、幹部による冷淡な対応をすべて人事に報告するよう要請しました。

「アマゾンがないと生活がなりたたない」と言えるぐらい、ライフスタイルの一部になったアマゾン。我が家もそのひとつです。しかし、本社の状況がどうなっているのかは考えもしませんでした。影響力が大きいThe New York Timesの記事だけに、この話題は当面続くような気がします。

[August 18 2015]  No 031843230

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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