2分でわかるアメリカ

2015/08/11通貨とオーストラリアで損したバフェット氏

アメリカの著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイが先週末に発表した今年第2四半期(4-6月)期の決算は、ちょっとしたネガティブ・サプライズでした。長年に渡って伝統的な企業に長期投資、利益を確実に上げてきたバークシャー・ハザウェイですが、純利益は40億1300万ドルにとどまり、前年同期比で37%も減りました。

何が原因か。利益を押し下げたのは大規模災害保険を手がける再保険会社バークシャー・ハザウェイ・リインシュランス・グループの赤字です。オーストラリア東部で今年4月に発生した大規模な暴風雨で1億1500万米ドルの営業赤字を計上しました。巨額の為替差損を計上したことも響きました。

傘下の自動車保険大手ガイコも不振。株式などの投資利益も減少しました。業績が安定している鉄道会社などの公益事業や食品関連会社は増益でしたが、全体を補えませんでした。

ただ、「さすがバフェット氏」ということもありました。失望的な決算を発表した同じ日、バークシャー・ハザウェイが大量保有しているアメリカン・エキスプレス株が大幅に上昇、ペーパー上の利益が7億ドル以上でました。物言う投資家として知られる投資ファンドが買い集めているとの観測が広がったことが背景です。

さらに10日には、バークシャー・ハザウェイが、オレゴン州にある金属部品製造のプレシジョン・キャストパーツを買収することで合意しました。買収額は320億ドル、日本円に換算して約4兆円、バフェット氏にとって過去最大の買収です。航空機の留め具やタービン翼を製造するプレシジョン・キャストパーツが先月発表した決算は弱く、株価が安値で推移していました。

株価が安い時に優良企業を買う。バフェット氏らしいやり方だとみられています。「投資の神様」は健在のようです。

 
 [August 10 2015]  No 031843224

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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